KANTA CANTA LA VITA

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2011年 01月 09日

長い「今」、大きな「ここ」

580円のメルロー、思ったより悪くなかったです。『Kanta Canta La Vita』です。2006年より、赤ワインはメルローと決め飲みしております。

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近頃読んでる本に、とある引用があった。

When I pronounce the word Future,
the first syllable already belongs to the past.
「未来」という言葉を口にするとき、最初の「み」はすでに過去に属している

ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩だそうだ。ノーベル文学賞受賞者である彼女の詩をこれまで知らなかったことはさておき、せめても「今」、それを知ることができたことはうれしく思う。彼女は同時に、「『沈黙』と口にしたとき、すでにそれは壊れている。『無』と言った瞬間、すでにそこには何かがある」というようなことも書いているようだけれど、確かにどこかで聞いたことがある表現ではある。その出処が彼女だったということか。

いずれにせよ、どこかにあるであろう純真無垢の映画について考える「今」、頭の中でコチンと何か音がした気がした。完全な映画、欠落のない映像、劣化していないフィルム、評価される以前の作品、そうした汚れなき映画を見たいと僕は望みながら、それを見た瞬間にその完全性は失われるというジレンマ。そんなことを「今」は考えている。そして、ここで言う「今」は、本来的で瞬間的な「点」としての「今」ではなく、いくらかの、あるいはとびっきりの「長さ」を持っているということも、どこか知らん僕を喜ばせる。スチュワート・ブランドの「ザ・クロック・オブ・ザ・ロング・ナウ」を読んでいて、いろんなことが少しずつリンクしていくのを感じる日々。

ああ、まるで備忘録。

"The Clock of The Long Now", Stewart Brand, Basic Books, 1999, p.29
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by kantacantalavita | 2011-01-09 00:08 | 親愛なる日記 | Comments(0)


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