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KANTA CANTA LA VITA

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2006年 01月 09日

「夢のような生活の夢」


今日は午前中に大学の登録を済ませ(まだ終わってませんけど)、午後はいつものようにcineteca付属の図書館で勉強をしました。

最近はCesare Zavattini(チェーザレ・ザヴァッティーニ)の本を読んでおります。ザヴァッティーニのネオレアリズモについて修士論文を書くために僕はイタリアに来たのです。どんなに日々の雑務に追われようと勉強は続けなければならないのです。日本で全く勉強していなかった僕にとっては、2年弱というイタリア滞在は、論文作成のことを考えると思いのほか短く感じられます。ザヴァッティーニの著作は読んでいてすごく面白いのですが、「面白い」というそれだけで論文が書けるとはどうしても思えません。すごおく不安です。日本でできなかったことがイタリアに来たからすぐにできるようになるなどとは考えてもいません(願ってはおります)が、それでもやらなければならないことは山ほどあるし、それ以上にやりたいこともたくさんあるのです。困ったものです。

図書館閉館30分前の6時過ぎに片付けを始めて、閉館までの残りの時間は目に止まった本を手にとって過ごすのが最近のパターンになっております。シネマテークに併設された図書館だけに、映画関係の本がずらりと並んでいることは、前に何処かで報告したとおりです。今日は、ザヴァッティーニの絵についての本(フランス語)と8mm映画についての本(イタリア語)をめくりました。(読んでません。)

6時半が近づくと誰に催促されるともなく皆一応に席を立ち始めます。僕もそれに従います。ただこのまま家に帰るには6時半という時間は早すぎます。イタリアの夜は長いのです。常に手元においてあるcinetecaのプログラムに目をやると、今日はちょうど6時半からエリック・ロメールの“La carrière de Susanne”を演るとのことです。ポケットには5ユーロ。コートも着ずに、かばんは肩に引っ掛けて、そのままの足で隣の上映施設に移ります。学生は1プログラムが3ユーロ。日本の約3分の1程度です。

フランス語の映画をイタリア語の字幕で観るというのは、幾分慣れてきたとは言え、やはり骨の折れることです。字幕ばかり追っていては映像を見逃しますし、映像ばかり観ていて内容を理解できるほど僕の映画言語理解力は熟していないのです。それでも得がたい経験であることは言うもまでもありません。

陽があるうちは大学、あるいは図書館で勉強し、夜はせっせとシネマテークに通う。映画を中心に回る夢のような生活が今、始まりつつあります。
(2005年12月16日)

by kantacantalavita | 2006-01-09 03:18 | 親愛なる日記


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