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KANTA CANTA LA VITA

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2006年 11月 15日

『イタリアの光』

近頃とっても天気が良いボローニャから『KANTA CANTA LA VITA』です。

今日は朝一で来年1月にボローニャで開催されるFuture Film Festival(フューチャー・フィルム・フェスティバル、通称FFF)のパス購入(10ユーロ!!)の手続きをして、帰宅後すぐに公園に走りに行きました。

(飽く迄私的に)快調にジョギングを終え、ヨガをしていて目を疑いました。なんですか、この空気の澄み具合。えらく遠くまで見えます。空には雲ひとつなく、天に伸ばした自らの指先がそのままどこかに行ってしまいそうです。壁の悪戯書きさえも異様な色彩を放っています。5年前、正月明けのナポリで目にしたみかんの色鮮やかさが甦ります。

乾燥してたら埃っぽくなるだろうし、湿度が高ければ霞がかったり雲が出たりするだろうし、よくわかりません。日差しは心地よく、かいた汗はすぐに乾きます。でも芝生は夜露でまだ湿っています。その絶妙な湿度の具合がこの光の加減、空気の透明さ具合を生むのでしょうか。

そんなこと考えていたら、昨年観た『オランダの光』という映画を思い出しました。日本でも特集が組まれたりもしましたフェルメールやレンブラントが、その作品の中に描いた「オランダの光」、人々をしてオランダはやっぱり違うと言わしめた「オランダの光」、エイセル湖の干拓で失われてしまったと言われる「オランダの光」を探し求めるドキュメンタリーです。

イタリアは太陽の大きさが違うとか、空の青さが違うとかよく言われますが、あるいはもしかしたら、「イタリアの光」もオランダのそれとは違う形で他とは違っているのかも知れません。これだけ車が走っていて、白い大理石の教会が真っ黒に汚れるほどに空気は汚染されているのに、一日外を歩いたら鼻の中が黒くなるくらいに空気は汚れているのに、なんでこんなにも「透明に見える」のでしょう。

あるいは僕の目が曇っているから澄んで見えるのかしら。これはずいぶん哀しいです。

by kantacantalavita | 2006-11-15 05:02 | 親愛なる日記


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