KANTA CANTA LA VITA

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2007年 01月 07日

カンタ・ポレンタ・クッタ

映画から帰り道、自転車にまたがり、紅白で最高にかっこ良かった徳永英明(なぜ知ってる?)の『壊れかけのradio』を口笛で吹きながら快走していたところ、ボローニャ名物ポルティコ(回廊)の下、壁に押し付けられるようにしてそのボーイフレンドと接吻していた女の子と目が合いました。今夜は眠れそうにありません、『KANTA CANTA LA VITA』です。このままでは下手に女性とキスなんかできたもんじゃないです。

タイトルの「カンタ・ポレンタ・クッタ」とは、そんなシーンを目撃して、女の子が何を考えているのか判らない、実は男の子との恋に夢中じゃないんじゃないか、でもそれがなおさら刺激的で、ブルッときてしまった、その瞬間に思ったことです。イタリア語で、「カンタは自己の内深くに根を下ろす矛盾に気づき恐ろしいまでに驚愕し、同時に高揚した」という意味です。

嘘です。

ベルトルッチの『1900年』の前編(2日にまたがる上映!!)を観てたら、農民たちがポレンタを食べているシーンがあったことに気づきました。以前、同作品を日本語字幕で見たときはイタリア語なんか聞いてなくて、それが今回、台詞にもポレンタという単語があったことを知って、でもそれがそのまま「ポレンタ」では日本人には何かわからないので、違う単語に替えられている筈なのですが、それが一体なんだったのかは思い出せません。ポレンタとは、とうもろこしの粉で作ったペーストのようなもので、冬の北イタリアではよく食卓に上るものです。ペーストの固さにもいろいろあって、綿豆腐よりちょっと固いくらいのものを炙ったり揚げたりもしますし、フォークでようやくすくえるくらいに緩くして肉、魚介類などと一緒に食べたりもします。バターと塩だけの味付けだったり、ダシをまぜたり、ソースに絡めたり、イタリアにおけるパスタの役割(主食)を果たすかと思えば、それと同時にメインの添え物にもなる、変幻自在で、口の中では強烈には自己主張しないのに、一度胃に収まると、俄然ドシっと居座る、僕ら大食らいの強い味方です。完成図とその多様性にピンの来ないのであれば、googleの画像検索で"polenta"と打ち込んでみてください。見てるだけで楽しいですから。同居人のパートナーが、ボローニャよりさらに北のヴェローナ出身で、とにかく何でもポレンタと食べるんだと言ってうんざりしてました。「カタツムリだってポレンタと食べるのよ!」なんてね。

で、そんな映画を観ていたら、やたらとこのポレンタが食べたくなって、実のところ、口先で『壊れかけのradio』をピーピー言わせながら、頭では「ポレンタ、ポレンタ、ポレンタ・・・」と連呼していたのです。で、そんな時に見ず知らずの女の子(接吻中)と目が合って、やたらとびっくりしてしまって、勢い余って思考が混乱し、こんな情けない日記を綴っているわけです。

去年、ワインの見本市に行った時に、会場で入った出張レストランで食べたイカとポレンタの組み合わせもとても美味しかったですが、なんと言っても僕はポレンタをマッシュ・ポテトくらいの柔らかさにして、バターと醤油で食べるのが好きで、今日もそれをしました。カンタ・ポレンタ・クッタ。バター醤油で。麦を入れた野菜スープとポレンタ。炭水化物ばっかり食べてる気がします。昨年、年明けすぐの頃もよくこれを食べていて、イタリア到着後1ヶ月間の貧乏生活で落ちきったかに思えた脂肪を補うどころか倍返しにしてくれたのもこいつです。「口の中では強烈には自己主張しないのに、一度胃に収まると、俄然ドシっと居座る、僕ら大食らいの強い味方です」、なんて言ってたら、またこの冬も、お腹と心を満たされるばかりではなく、それによって身につける体脂肪とで、内側からも外側からも温まってしまうこと間違いなしです。北イタリアの人がこれを好んで食べるのがよくわかる、イタリア的な体験です。

気をつけます。
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by kantacantalavita | 2007-01-07 07:09 | 親愛なる日記 | Comments(2)
Commented by igrek at 2007-01-08 00:07 x
あれま、それは思いがけない瞬間を目撃しちゃったね。
そのままぐっすりオヤスミナサイw
Commented by kantacantalavita at 2007-01-08 21:37
igrekさん、コメントありがとう。
イタリアでは、それこそ街中でキスを目撃しますからね。
見るな、と言うほうが無理なのです。
時々、ホント時々ですけど、
映画のように美しいキスシーンを見ることもできるんですけどね。


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