KANTA CANTA LA VITA

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2007年 01月 13日

霧々、まあいい。(私をきりきり舞いさせる「におい」)

最近、日が沈む頃になると、霧が音もなく街を満たします。
チネテカに向かう僕のショボひげも露に輝きます『KANTA CANTA LA VITA』です。

上映室に一番乗りすると、うれしい反面、うんざりすることもあります。
なぜって、僕の後から来る人々は僕の座る席を最良の席と勝手に解釈し、
席が余っているにもかかわらず、僕の周りに人が寄ってくるのです。
自意識過剰なのでしょうか。

なぜ、こんなに広々席が空いているのに、すぐ側に座るんですか?
僕がチネテカで日頃座るのは、
前から3列目、スクリーンに対して真ん中の席のひとつ右の席です。
一般的には、近すぎるスクリーンを見上げるような不快適な席です。
その席に集まってくるからあながち思い違いでもないはずです。
早く着いて良い(僕にとって良い)席を取ることも、時には難ありな訳です。

場合によってはそれで鑑賞が害されることもあります。
体中に染み付いたタバコのにおいを惜しげもなく振りまくおっさんが隣に座ったり、
上映中にうるさいカップル(イチャつくなら混ぜろ!)が前にいたり、
足癖の悪いイタリアの悪餓鬼なんかが真後ろなんかに座った時は、
作品の内容如何に関わらず、見終えた後の満足感は4割引になります。
それをも忘れさせる作品も時としてあるとは言え、
概して、気持ち良いものではありません。

そんな中、今日は目の前の席に座った女の子がゴルゴンゾーラの匂いを漂わせていました。
ゴルゴンゾーラとはイタリアを代表するブルーチーズ(青カビチーズ)です。
あの臭いが苦手な人もいるはずです。
僕は、僕自身が脇が臭かったり、口が臭かったり、足が臭かったりで、
ちょっと過剰に反応してしまう嫌いがあります。
なので、上映中にゴルゴンゾーラの匂い(食べ物としては大好きです)を感じたりすると、
まずは発信源が気になりますし(お、俺か?)、
次いで理由が気になりますし(晩御飯はゴルゴンゾーラのリゾットかな?)、
さらに、空席の多い上映で隣の隣に座った男からは耐え難いヤニの臭いもしたりして、
これではもう映画どころではなくなるわけです。

上映中の『反撥』では、男性恐怖症が歪んだ形で発症してしまった女(C・ドゥヌーヴ)が、
部屋の床に置き去りにされた姉のパートナーの下着の臭いを嗅ぎ、
「おえっ」なんて言ったりしています。

映画鑑賞をそっちのけにしてしまう僕やドゥヌーヴを見るまでもなく、
においには、なにか魔力的なところがあって、
その魔力たる所以のひとつは、本人が気づかないことかと。
ゴルゴンゾーラの匂いを発しているなどと気遣う10代の女の子がどこにいようか。
僕も悲しい思い出があります。

かく言う今日の僕は、昼に食べたアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーニ(「にんにく、オイル、そして唐辛子」という名のパスタ料理、今じゃ日本でも説明するまでもないのか知らん)を丸ごと持ち込んだかのようににんにく臭を発していたはずです。心なしかイタリアではにおいに関して寛容な所がある(日本が敏感すぎる?)ような気がして、以来、僕のパスタには恐ろしいまでの量のにんにくが投入されます。このままでは日本で生きていけないです。

タイトルを駄洒落でつけてしまったので、方向性のない、うそ「くさい」文章になってしまいました。自分でそのにおいを感じると言うことはよほどなのでしょう。昨夜の『タルコフスキーの欲望の館』の主人公よろしく、自らの物語に決着をつけるためにこの場を辞します。では。
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by kantacantalavita | 2007-01-13 09:05 | 親愛なる日記 | Comments(4)
Commented by horigome at 2007-01-15 09:58 x
あ〜おいしそう〜 匂いがしなけりゃほんと毎日食べたいなぁ
Commented by kantacantalavita at 2007-01-15 10:45
お、horigomeくんはゴルゴンゾーラも行ける口??いいねえ。濃いめのゴルゴンゾーラ・ソースに絡めたニョッキを赤ワインで流し込む至福。あかん、自分で書いて、堪らなくなった。近日中に食うよ。

そういやあ、その真意は知らん、村上春樹がボローニャと言えばニョッキだって言ってたよ。なんでかなあ。霧のボローニャで熱々のニョッキを頬張る光景は、確かに美しくさえあるけどね。想像だけど。

ちなみに、俺のアリオ・オリオ・エ・ペペロンチニはパスタを食ってるのか、にんにくを食ってるのかわからないくらい(例えとして、それくらいに感じるほどまでに)にんにくが入ってます。
Commented by horigome at 2007-01-15 22:34 x
入れすぎ!!(笑)
Commented by kantacantalavita at 2007-01-16 06:45
horigomeくん、焦がしたすみれの灰の香りのするワイン、ゴルゴンゾーラの香りのする女の子、天国に連れて行ってくれるポルチーニと、この国は嗅覚的にも休ませてはくれないのです。


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