2007年 05月 22日
先ほど、滞在許可証の更新のための写真を提出してきました『KANTA CANTA LA VITA』です。何のための「ジャンプ」なのでしょうか。 呼び出しの時間は午前8時38分。絶対に、絶対にそんな時間通りは進むことはないだろうと思っておりましたが一応、8時過ぎには門前に到着しました。すでに15人前後の人が列ならぬ列を作り始めていましたが、肝心の扉が開いてさえいません。列もなぜか左右に2列あります。去年の申請の時は確か、左がその日予約を取っていた人、右がそれ以前の申請で不備があったなどで再びやってきた人、そうだったと記憶してましたので、とりあえず左側に並んではみたものの、どうもあほらしい(汚い言葉でごめんなさい)ので、並ぶのをやめ、ひとまず係員の到着を日陰で待つことにしました。待つこと数分、ようやく扉が開き、数人の職員が出入りし始めましたが、一向に何かが進展している様子はなし(見えないところで何かが起こっていることを祈る)。さらに数分、呼び出し時刻よりも前に、召集状が回収され、その回収順(!)に名前が呼ばれます。僕は6番目。窓口の前に到達したところで、小ざかしくも抜け目ないアジア系の男が順番を抜かそうとするも、ロシア系のおばさんに咎められ、最後尾に。そう慌てるなよ。と突然、それまでひとつだった窓口がふたつになり、まんまと追い越しを喰らう(ただしこれはイタリアでは追い越しでさえない、スーパーなどがそうだ、「お先にお並びの方からどうぞ」的な配慮は一切ないのは知っている)。まあ、いい。特に急いでもいないし、もう俺の順番は次の次だ。ほう、このおじさんはもう5回も来ているのか、大変だね。しかし私たちは知っている。イタリアの法律もシステムも相当悪いが、申請側の一部の人たちの取り組みの甘さも目に余るのだ。というが早いが、隣の窓口にやってきた青年はパスポートを持ってきていない。とくに、係員も驚いたそぶりを見せることなく、「じゃあ、明日来い」。そうだろう。お、おじさん、5回目にして通過。おめでとう、僕もうれしいよ。いやいや、それでも去り際に、「クリスマスまでには頼むよ!」と悪態ならぬ悪態をついて行くところはやはり苛立っていたんだね。次のおばさん、ズボンで手の汗を拭いている。うん、よくわかる。緊張するよね。指紋なんかとられる経験ってそうないもんね。かく言う僕も、イタリア以外で指紋を取られたのは日本の道路交通法違反の時だけだ。ほとんど、犯罪人と同義なのである、指紋採集は。まあいい。お、おばさん、無事通過。いよいよだ。 --------------------------------------------------------- 「おはよう(爽やかさが大事だ)。」 「・・・、パスポートと旧滞在許可証と写真。」 「はい、これとこれとこれね。」 「なんだ、写真が白黒じゃないか。」 「え?駄目なの?まあいい、カラーもあるよ。」 「ああ、そのほうが良いんだ。ん?なんで、こんなもの(住所変更証明)があるんだ?」 「住所を変更したんだ。」 「じゃあ今どこに住んでるんだ。」 「そこに書いてあるだろう、○○通りだよ。」 「ああこれね、ふうん。お、日本人か。」 「ああ、そうだよ。」 「生まれはどこだい?・・・、お、東京じゃねえか。俺、11月に東京行くんだよ。」 「へえ。(早くしろ)」 「東京の地下鉄って何時くらいまでやってんの?」 「朝5時くらいから夜1時くらいまでだ。」 「ああ、朝早いんだね。」 「ああ。(書類はどうなんだ?)」 「ふんふん、じゃあ、ここにサイン。・・・、うん、じゃあ、こっちに指を乗せろよ(なぜ突然フレンドリーになる)。」 「(手の汗を拭く、手に握るの汗の量に関しては世界規格だ)」 「OK。電話番号は?」 「××××××××××。」 「OK。滞在許可証ができたら、この番号にメールが届くよ。」 「わかった。」 「ところで、イタリアの携帯は東京では使えないよね。」 「・・・たぶん無理だね。レンタルした方が良いと思うよ。」 「そうか、わかった。はい、ご苦労さん。」 「ありがとう(とにかく無事すんだことに心からの『ありがとう』)。」 --------------------------------------------------------- 所要時間はおよそ30分、8時38分の呼び出して、9時2分に終了。実際に呼び出し時間はほとんど関係なかったが、あの数字があるから、いざ門の前での混乱が解消されたとも言えそうです。しかし、前のおじさんとの会話を聞いていたところによると、データは再びローマに送られるとのこと、こりゃ、メールが届くのはずいぶん先のようです。 駄目押しのように、無事提出を報告した友人によれば、写真の提出から実際に許可証が手元に届くまでさらに1ヶ月以上かかるという噂もあり、事実、かなりうんざりしてます。 こんな仮説を立ててみました。 「10月中旬から開始した滞在許可証更新手続きであるが、その過程で法律改定という不運もあったにせよ、ここまでたどり着くのに7ヶ月を要した。さらに1ヵ月で8ヶ月。今回の許可証の期限は保険の切れる10月末までが予想される。仮に留学を再延長するなんてことになったらまたすぐに、更新の申請だ。有効な許可証が手元にあるのは実質4ヶ月。おそらく、この国における俺の滞在許可証は、『素敵な夏のバカンスを心置きなく楽しむため』のものなのではないか。旅行中に警察に呼び止められても、堂々と新しい(そして束の間の付き合いの)許可証を提示できる。」 ほとほと疲れました。 この「滞在許可証更新申請手続き」も、いよいよ残すところあと2回となりました。「メール受信」と「受領」の予定です。請うご期待。 --------------------------------------------------------- 【後記】こちらでは、携帯のメールはEメールではありません。よくわかりませんが、PHS同士のメールみたいなものです。これを介して、滞在許可証受領関係の情報を流すというのは、あまりにも不確定というか不安要素がありすぎます。聞きはしませんでしたが、持っていない人はどうなるんでしょう。それとももうこの国には携帯電話も固定電話も持っていない人は存在しないのでしょうか。いつ届くとも知れぬメールを待つことほどつらいものはありません。受け手にとってもっとも重要なものである場合はなおさらです。
by kantacantalavita
| 2007-05-22 20:35
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イタリアのお宝発掘集団『大阪ドーナッツクラブ』。人呼んでODC。シネマテークについてのコラムを担当してました。 大阪ドーナッツクラブ公式ブログ(代表によるブログ) 『Kanta Canta La Vita』が所属する上記「大阪ドーナッツクラブ」の代表で、FM802DJポンデ雅夫のブログ。 かのうとおっさんの「ああ密談」 大阪ドーナッツクラブメンバー有北クルーラーのもうひとつの顔。 映画保存協会 日本の映画保存のある部分は、この協会が支えています。 アトリエ・マニューク 映画と映画保存とその周辺(例えばビールとか俳句とか)について書くならば僕はこうしたい、それがこのHPにあります。 赤海老ログ 本職は歌手なのに、僕にとっての彼ら二人はワインの先生です。Colli Bolognesiを共有(共憂)をしてます。 C'è profumo 日本人音楽家の多いボローニャにあって、飲み会でしか会ったことがない友人yukaちゃんのHP。ピアニスト。 ホームムービーの日 NEWS 今こそ8mm。景色を映しただけで映画になる国、イタリアに8mmカメラを持って行きます。 The Internet Movie Database 誰が呼んだかIMDb、えらく重宝します。フォーマット検索とかは最近かなり気に入ってます。 all cinema ONLINE 映画検索に重宝してます。日本語表記はあてにならない場合もあるので注意が必要です。 チネテカ・ボローニャ Cineteca Bologna。ボローニャのシネマテークです。当ブログのカテゴリー『Cineteca Bologna』はこのシネマテークの当日の上映プログラム(概ね日本語)です。 ボローニャの映画館情報(2torri.itより) チネテカ以外の映画館情報。ボローニャにはこんなにたくさん映画館があるんです。 ボローニャの図書館検索 ボローニャには相当数の図書館がありますので、映画という19世紀以降の芸術を研究する僕のような学生が探す本は大抵見つかるはずです。 イタリア国立映画博物館 Museo nazionale del cinema。トリノ。2006年8月に聖地巡礼的に訪れた際には、その建物(モーレ・アントネッリアーナ)の頂上でエレベーターが作動しなくなり、急遽ヘルメットをかぶって徒歩で地上に降りるという映画的に稀有な体験をしました。 チネテカ・イタリアーナ Cineteca italiana。ミラノのシネマテーク。「見せるための保存」を目指しているとのことで、近年新しい上映室が増設されたようです。その名に「イタリア」を冠していることからもわかるようにその歴史はボローニャのそれよりずっと古い。 チネテカ・デル・フリウリ Cineteca del Friuli。北イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ウーディネ県ジェモナにあるシネマテーク。このブログでも報告したポルデノーネ無声映画祭はこのシネマテークが中心になっています。イタリア国内に5つあるFIAF加盟団体の中では最もマイナーなイメージがあるが、実は違いそう。行ってみたい施設のひとつ。 チネテカ・ナツィオナーレ Cineteca nazionale。ローマにある映画実験センター。国立の映画学校で、そのシネマテークはローマのど真ん中トレヴィの泉近くにあるとか。ミラノ、ボローニャ、ローマ間では上映用のフィルムのやり取りが多いように感じてます。 東京国立近代美術館フィルムセンター 日本におけるシネマテークとは何か?考えてみます。常設展や特別展は、何時間でも過ごせます。 シネマテーク・フランセーズ Cinémathèque française。説明無用(?)、世界中のシネフィルの聖地シネマテーク・フランセーズ。2005年、多くの映画人が通ったシャイヨー宮からベルシーに移転し新しい建物になりました。写真を見た限りですが、ものっすごくきれいみたいです。住みたい。 ドイツ映画博物館 DEUTSCHES FILMMUSEUM。フランクフルトにある映画の博物館(そのまま)。ドイツ語も勉強しますか。ドイツと言えばムルナウ財団は、ボローニャのシネマテークの上映でもしばしばその名前を目にします。 オランダ映画博物館 FILMMUSEUM。アムステルダムにある映画博物館。上記ドイツ映画博物館と一緒に訪ねてみようかと計画中。学生でも6.50ユーロ、会員でも4.50ユーロとはちと高いか。(英語あり) Antonio Pignottiコレクション 2006年の「ホームムービーの日(in Italia)」で映写機などの展示をしていたコレクターの方です。いつの間にかリンクしてくれていたので、晴れて初めてイタリアのHPと相互リンクになりました。(イタリア語) Planet World 大阪梅田のシネマテーク。大阪にプラネットありと謳われた「生きた」伝説。 Planetary Film Archives 上記プラネットのフィルムアーカイブです。資料整理のお手伝いをしました。 internet bookshop ITALIA イタリアの本が買えます。バカンスシーズンやその前後を除けばかなり信頼度は高いです。送料も高いですけど。 日本の古本屋 現実世界での古本屋めぐりも好きですが、電脳世界のほうが欲しい本がみつかったりします。 comfm.com イタリアのラジオがネットで聞けます。生のイタリア語を欲してる方にはお薦めです。 RADIO MARGHERITA イタリアのポップミュージックを新旧問わずに流しまくる秀逸なHP。ホームの下のところにある「Ascolta Radio Margherita (マイクの絵)」をクリックすると、Windows Media Playerで聴くことができます。 NHKラジオイタリア語版 その日のニュース約5分と曜日ごとに決められたテーマ約10分をイタリア語で聞くことができます。他の言語もあり。イタリアのラジオに比べ、音声が安定しているように思えます。 Consorzio Vini Colli Bolognesi ワインは全く無知に等しいですが、なぜかしら「おらが村主義」は大切にしていたいのです。日本で一番「ボローニャの丘」について詳しい人になりたいです。「ボローニャの丘」ワイン協会のHP(伊語or英語)。 大相撲 がんばれ力士。 インターネットでモンドリアン こういうのも好きです。 氷温熟成 Bravo! KANTA このビールを評したずっと年下の女の子曰く、「苦味の奥に甘さがある」。ううむ。僕のことを言ってるのでしょうか。 Google日本 何かと便利。 Wikipedia Japan 何かと便利。 以前の記事
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