KANTA CANTA LA VITA

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2007年 06月 23日

頼むぜ、フランス。イタリアも頑張ってるんだから。(ボン・ジョルノがボン・ジョルノな国の郵便局閑話)

e0017332_18563757.jpgFIFAのランクじゃありません、かれこれ2週間ほど前にアマゾンで注文したDVDが届かないのです。『KANTA CANTA LA VITA』です。

世界で唯一入手可能な『カビリア』のDVDを、最も近いと思っていたフランスに注文したのですが、それが仇となったのでしょうか。発送は6月8日、その時の確認メールには、「7~15日でお届けにあがります」とあったと記憶しています。今日が15日目なのです。まさか隣国フランスからの荷物がこんなに時間を要するとは、思ってもみませんでした。月曜日には受け取りたいものです。

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日本への荷物を郵便局から送りました。事情を良く知らなかったため、窓口のおじさんに尋ねました。

「日本への荷物は、幾らくらい費用がかかりますか? 一番安いので良いんですけど。」
「輸送方法はどうする?」
「船でいいです。」
「重さは?」
「10キロ。」
「・・・。船便で39ユーロだな。」
「飛行機だとどれくらいですか?」
「・・・。90ユーロ。日本まで3、4日で着くよ。」
「着けば良いので、早くない方でお願いします。」
「ノー、ノー。航空便は、早くて、しかも『安全』なんだ。」
「あ、安全??」

船便は安全ではないということでしょうか? 何日くらいで着くか尋ねても正確な数字は出てきません。今回、送ったのは、冬物の服とすぐには使わないだろうと判断した37冊の本。持ってる服の数は、同世代の男性に比して相当の確率で少ない僕の、そして、映画関連の本を未来へのはかない投資として購入した僕の、今後の主戦力がすべて詰まった2箱です。今年の冬、凍えて暮らしても良いです。凍えても良いですから、お願いです、いつかは届いて。

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幸運にも(!?)、今のところイタリアからの郵便(手紙や葉書)はほとんど届いているようです。ですが、届かなかったという噂も絶えません。よりによって、もっとも大事なものが着かない、なんてことがブログのネタにならないことを、今はもはや祈るのみです。

あああ、日本に帰ってすぐ使うようなものが、まだ手元に残っています。こいつらは、航空便という旅客並みの扱いをしないといけないのかと思うと、気が重いです。

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子供の頃、切手の収集をしたことがあります。それが再燃したわけではありませんが、荷物を出し終え、一仕事を終えた気分で余裕ができた僕の目に、イタリアの記念切手が目に留まりました。印刷技術のあれやこれやはわかりませんが、デザインに優れたものが見て取れます。窓口のおばさんに聞きました。「映画関係の記念切手があればほしいんですけど」。おばさん、巨体を揺らし、しぶしぶ分厚いファイルと取り出します。

「映画ねえ・・・、確かあった気がするけど・・・、あ、あった。ほら。」

e0017332_1854060.jpg息を飲む僕。デ・シーカとザヴァッティーニの切手でした。正確には、『ウンベルトD』と『ミラノの奇跡』の切手です。ウンベルトが愛犬フライクを抱き上げるシーンと、ザヴァッティーニの名文句「『ボン・ジョルノ』が本当の意味で『ボン・ジョルノ』である国へ Verso un regno dove buongiorno vuol dire veramente buongiorno」。おいおい。完璧じゃないか、今日という1日。まさかここが、「ボン・ジョルノ」が本当に「ボン・ジョルノ(良い1日を!)」を意味する国じゃないのか?

こうなると僕はどうなるか。調子に乗ります。

「あ、じゃあ、このセットと、同じセットのシートをひと組、『僕用』にください。それから、他の切手も見ていいですか?」 

作り笑いが曇るおばさんの顔。わかってます、面倒な仕事なんです。いちいち箱から取り出して、1枚切手を取って、残りを箱に戻して、表に枚数を記して、料金を計算する。どう考えても、普段の彼女の仕事との比較で、イレギュラーです。しかし、ここで引き下がるわけには僕も行きません。ありとあらゆる愛想を振りまいて、おばさんの機嫌を取る。事実、それが功を奏してか、おばさん機嫌を回復し、おしゃべりでしばしその手が止まるほど。

「申し訳ないとは思うんですよ、シニョーラ。こんな厄介な客、なかなかいないでしょ?」
「まあね、でも良いのよ。あんた、いい子だから。あとどれくらいほしいの?」
「そうですねえ、あと5枚にします。」
「O.K. いいわよ。」
「でもね、シニョーラ。これは僕が悪いんじゃないんです、責任はあなたたちにあるんですよ。だってこんなに素敵な切手を作るんだから。」
「まあ、この子ったら。」

そんなこんなで、1時間くらいかけて(彼女は物販のレジ担当なので、僕以外の客の相手もしなければならない)、20枚ほどの記念切手を選びました。会計を済ませ、おばさんに挨拶をします。

「ありがとう、シニョーラ。また来ます。ボン・ジョルノ。」
「うん、またいらっしゃい。あなたにもボン・ジョルノ。」

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受け取りは知らん、とりあえずは荷物出しに成功し、偶然の出会いとも言える切手に遭遇し、少なからぬ余計な買い物をして、ずいぶん満足していました。その満足具合は、郵便局を出たその足でバールに向かい、ビールを飲んだほどでした。

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ボン・ジュールの国はどうなったのか? ボン・ジュールの国からボン・ジョルノの国への越境はどうなったのか? なんとなく、ネタになりそうな予感はあるのです。
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by kantacantalavita | 2007-06-23 18:01 | 親愛なる日記 | Comments(2)
Commented by にのみや at 2007-06-28 23:50 x
あ、どうも。ドーナッツクラブの大輔です。名字は二宮って言いました。ボン・ジョルノが本当の意味でボン・ジョルノである国へって名言ですね~。ええ話や!
ところでボン・ジョルノの国からおはようございますの国への航海もかなり厳しいものがあるんじゃないすかね。体験談なんですけど、一回船便で荷物を送ったことがあります。一ヶ月くらいでついたのですが、箱の中身がびっしょり濡れて到着しました。もっと正確にいうとぐちゃぐちゃにつぶれた箱と中に入れてた荷物がいっしょに違う箱に入れられて到着しました。どうやら航海の途中不慮の水難事故にあったようです。当然中身の本などはふやけてしわしわになってました。船便は扱いがひどいのでそういう破損が多いみたいで、そういう意味で航空便が「安全」ってことなんじゃないですかね。といってももはや幸運を祈るだけですね。ボン・ジョルニーノ!
Commented by kantacantalavita at 2007-06-29 00:07
ハムエッグ、コメントありがとう。
うん、ZA先生の名言だろ、Buongiorno vuol dire veramente buongiorno.
船便については、僕も不安なところがあったから、本に関してはビニール袋に入れてみたよ。いくつかはサイズが大きすぎて口を縛れなかったんだけどね。まあ、祈るしかない。
ローマのインテリ・ヤクザ氏(仮名)からの、記事執筆の火であり矢である催促が始まったよ。締め切りは明日。ぎょええええ。


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