KANTA CANTA LA VITA

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2007年 03月 30日

Bologna, ti voglio bene (好きだよ、ボローニャ)

ああいう書き方が悪かったとは思います『KANTA CANTA LA VITA』です。

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修行だとか何とか言いましたけど、400kmほど離れたローマに行ってました。10日間で2往復し、計8日間の滞在でした。移動の煩わしさと旅の目的が勉強という、その厳しさから修行なんて言っただけのことです。ローマ第3大学でのイタリア映画史の授業に参加し、面白い映像も手に入りましたし、美味しい食事をし、行きたかった映画館にも行って、新たな友人も増え、本を買い、実りあるものでした。

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ところがローマというやつは、一時は世界の中心だったわけで、今でも世界中から観光客の集う巨大都市なわけで、普段ボローニャで、しかもかなりの割合でインドアな生活をしている僕には、宿泊地がずいぶんな郊外だったとは言え、そんな巨大都市で過ごすだけで疲弊します。

危険な雰囲気漂う地下鉄やバスに揺られ、観光客の間を縫うように歩き、雹や霰に降られ、先日までの暖かさがウソのような寒さに凍え、所かまわず散らかされるゴミに視覚的に辟易とし、鳴り止まないクラクションに聴覚的に苛まれ、最終日にはほとほとくたびれ果てておりました。こういう「修行」は避けられるものなら避けたいんです。

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そんな日々も昨日が最終日。ボローニャ行きの列車に乗るため、あるいは帰国前最後かもしれないテルミニ駅に向かいます。地下鉄で30分、のはずでした。ところが、途中の駅で乗客全員が降ろされる。列車の故障。渋滞の中の満員代行バス。翌日に控えるストライキの前夜祭か、結果的なストライキのためのストライキ。車窓からの風景、皮肉な会話、二重駐車に遮られたおじさんの憤慨とほとんど我関せず的に出てきたもう一方の当事者の悪びれる様子もない身振り、普段なら大いに楽しむであろうイタリアの典型的な光景も脳みそまで届きません。

・・・・・・ボローニャに帰りたい。

フィレンツェでモツのパニーノでも食ってやろうなんて目論見は、切符を買う時点で霧散します。モツよりボローニャ。席の埋まったコンパートメント、眠らせないアナウンスと車内販売、うろつく乗客。走れベイビー、一刻も早くボローニャへ。おかしなもので、ようやく着いたボローニャ駅で見た人込みは優しく温かなものでした。

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優しいボローニャの優しい我が家、普段自転車で行き来する街中も、こんな時はバスに限る。

e0017332_22503166.jpg・・・・・・、なぜバス停がバスでごった返している?どこまで続いてるとも知れないバスの列。理解不能。動いているバスも路線を変えている。おいおい、ここはボローニャだろ、ローマじゃないぜ。カオスはローマで十分味わった。こんな時に限ってやけに冷えやがる。俺が行く先々に寒さがあり、不運があるのか、俺がそれを引き起こすのか。み~んきあ。同居人の懐かしい口癖、悪態。暖かい我が家はしかし、このバスの渋滞の先にある。危険な香りは避けて通るのが絶対条件だが、如何ともし難い。バスとバイクと車の列は果てしなくも思える。クラクションと人だかり。そんなローマ土産はいらないぜ。

駐車したトラックが細道をふさぐ。ストラーダ・マッジョーレ、もっとも大きな道、素晴らしき道。名前だけが空しく響く。

e0017332_22582734.jpg「俺に言わせりゃ、通れるはずだよ。」
「いや、見てみろよ、仮に原付を移動してもその先の標識で身動きが取れなくなるんだ。」
「スペクタクル!スペクタクル!!」

バスに閉じ込められたみんな、悪いね、俺が帰ってきたからさ、君らがそこで指をくわえているのは。スペクタクルの社会、人生という旅。

しかしちょっと待て、ここはボローニャだろ。奇跡的な思考の転換、見世物と化した世の中を楽しめ。無関係とは言えなくもないが、これはシチュエーションとして完璧な面白さをたたえている。どう転んでも面白い。

e0017332_2304329.jpgトラックのハザード・ランプが点いている。あるいは運転手はちょっとの用事を済ませる間に、近所の奥さんとのひと時の情事に・・・・・・、高まる心、動き出す脳。ああ、マイホームでありホームタウンである、マイ・ホーム・タウンとしてのこの街。

e0017332_2315876.jpg渋滞と人込みが象徴する如何ともし難い状況を打ち破ったのはレッカー車。ふさいだ道を覆面で素顔を隠した死刑執行人然として後ろ向きにやってくる。蛍光色の作業服を着た若い仕事人は300回くらいため息をつきながらもフットワーク軽く任務を遂行。「やるじゃねえか、若ぇの。」執行人の気持ちなど知る由もない観衆。装置が響かせる金属音は死刑宣告文。ニヤつく観客、無口な断頭台。バスの列はそのままレッカー車を先頭にした葬列にかわる。古い友人に別れを告げるかのような老人。「あばよ、戦友。」

「スペクタクル!スペクタクル!!」

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自分の街に帰ってきた途端に、同じ混乱が混乱でなくなるから面白いです。その意味で、あるいはローマも「住めば都」の例に漏れることはないかも知れません。住みたいかどうかはまた別の話ですけど。
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by kantacantalavita | 2007-03-30 21:45 | 親愛なる日記 | Comments(4)
2007年 03月 30日

外部連載コラム裏話その6

e0017332_19252763.jpg今回のコラムの最後にも書いておりますが、全3回でお届けする予定でした『DVDに学ぶ』は「僕の文章をまとめる力の無さ」と、「勝手な興奮を抑える力の無さ」、つまりはいずれの場合もある種の「自制心の欠如」からもうしばらく続きます。「『DVDに学ぶ』 後編 (その1)」ってなんですか。自分でも恥かしいです。しかも今回のは恐らく分量としても最長で、読むのがえらくしんどいです。書いた本人が言うんですから間違いないはずです。かたっくるしい話では無いはずですし、知識をひけらかすような文体にもならないように注意はしていますが、それでもやっぱり何より「長い」です。精進します。

あと、こんなことを書いてしまって大丈夫かとも思うのですが、裏話ですからまあ良しとして、と言うのは、あのコラム『DVDに学ぶ』の中で僕は決定的なウソをついています。映画関連の情報についてのウソではありませんし、あるいは自覚していない間違いがないなんてことも言い切れないのですが、そういうことは自分で気づいた時や読者の皆さんに指摘された時に直せばいいですし、そういうのではなくて、つまりあのコラムを書くに至った経緯・背景について若干の「創作」があるということです。僕がよく言うのは、「どんな事実も文字にした時点でフィクションになる」ということでして、その意味で僕が書いてるコラムは創作や引用を多く盛り込んだドキュメンタリー風、あるいはルポタージュ風な第1回に象徴されるように、事実に基づいた「創作」であることが多く、ところが今回のウソ(創作)はそれ自体が笑い話じゃないかというような類の、情けない話を隠したために出来上がったのです。

「DVDに学ぶ 中編」を見て見ましょう。DVDセット「ポンペイ最後の日」のジャケットの下から続く文章の初めにはこうあります。

DVDを手に取ると(中略)、表面上部の「セルジョ・レオーネの最初の作品(IL PRIMO FILM DI SERGIO LEONE)」という言葉が何よりもまず目に入り驚きました。


e0017332_20411922.jpgこれは完全にウソです。創作ではありますが、この場合は「ウソである」と言ったほうが正直です。どういうことか?僕の目にまず飛び込んだのは「レオーネの作品」とか、コラムで続けているようなリマスタリングに関する文字列でもなかったのです。では一体、何が僕の注意を引いたのか。・・・・・・主演女優の美貌です。美貌といえば語弊があります。とにかく「かわいい」。セルジョ・レオーネのコーナーに、未見の作品があったことなどすっかり忘れて、しばし彼女に見惚れた後、この女優が誰なのか、パッケージに他にも彼女の写真が使われていないかを詳査したその後でようやく、「あれ?レオーネの作品って書いてあるなあ」と女優の可愛らしさの前では幾分トーン・ダウンして思ったわけです。もちろん自己弁護をすれば、「あれ?レオーネの作品にこんなのあったか?ん?オリジナル・ネガ?え?特典映像で古典を丸々1本収録?しかも完全版?完全版ってなんだよ?」という具合に、ひとたび女優から注意が離れるや、いっぱしの映画好きに戻って色々考えていたのも事実で、そこから今回の特集は生まれたわけです。

e0017332_20422787.jpgさて、本当の意味で特集の生みの親とも言えるこの女優クリスティーヌ・カウフマンChristine Kauffman(IMDb)について少し。ボナール作品の『ポンペイ最後の日』は、一部の批評ではその女性出演陣(クリスティーヌ・カウフマン、バーバラ・キャロルBarbara Carroll、アンヌ・マリー・ボーマンAnne-Marie Baumann)の美しさが取り上げられますが、確かに三者三様の美しさがあって、その中ではクリスティーヌは最年少で、インターネット・ムーヴィー・データベースを見てもわかるように、1945年生まれの彼女は1959年公開のこの作品の撮影に参加した当時はまだ13歳か14歳だったことにまず驚かされます。中学生には見えません。とにかくその若させいもあってか、個人的な印象としては作中、ほとんど演技をしているようには見えず、こと演技に関しては他のキャロル、ボーマンの次点に甘んじています。ところが映画とは面白いもので、この3人の中ではクリスティーヌのキャリアがもっとも長く、比例して出演作品も多い。あるいはクリスティーヌはこの後歳を重ねるごとに演技に磨きをかけていったのでしょうか、後年の作品を観ていないためわかりません(『バグダット・カフェ』は見たけど当時知らなかったんです)。

クリスティーヌの写真がパッケージに使われていなかったとしても、『DVDに学ぶ』は書いていたでしょうけれど、それでもやや凡庸な作品の鑑賞を楽しませてくれたという意味で、記憶に残る女優になりました。

その他の画像(作中より)
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by kantacantalavita | 2007-03-30 19:08 | 映画とは何か(cinemaについて) | Comments(0)
2007年 03月 30日

シネマテークにしねまっていこ(第9回)

『KANTA CANTA LA VITA』が「オールドファッション幹太」のコードネームでお届けする外部コラム『シネマテークにしねまっていこ』を更新(第9回)しております。

『シネマテークにしねまっていこ』(第9回)はコチラから。

『KANTA CANTA LA VITA』が所属するイタリアお宝アーティスト発掘団『大阪ドーナッツクラブ(ODC)』のHPはコチラから。
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by kantacantalavita | 2007-03-30 18:44 | 追加・更新・変更・リンク | Comments(0)
2007年 03月 18日

しばしのお休みを。否、休むんじゃない、修行だ。

『KANTA CANTA LA VITA』です。ちょっと修行の旅に出かけます。4月に入って更新があったら無事修行を終えて帰ってきたんだなとご理解ください。更新がなかったら、苦戦していると笑ってください。
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by kantacantalavita | 2007-03-18 09:46 | 親愛なる日記 | Comments(3)
2007年 03月 17日

2007/03/17 土曜日

ボローニャのシネマテーク『リュミエール』の2007年3月17日(土)上映プログラムです。

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Cineteca di Bologna "Lumière"のホームページはコチラからどうぞ。
当日のプログラムへはトップページ左上の"oggi"から。

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【第1上映室スコセッシ Sala Scorsese】
 18.30- BilBOlBul. Festival Internazionale di Fumetto
       ~ビルボルブル 国際マンガフェスティバル~
       "MATTOTTI"
        レナート・キオッカ監督 Renato Chiocca
        イタリア 2006年 50分

 20.30- I magnifici dieci. Il meglio di questa stagione Omaggio a Michel Gondry
       ~ベスト・テン 近年の秀作 ミシェル・ゴンドリー編~
       "LA SCIENCE DES RÊVES"
        『恋愛睡眠のすすめ』
        ミシェル・ゴンドリー監督 Michel Gondry
        フランス/イタリア 2006年 105分

 22.30- 同上

【第2上映室マストロヤンニ Sala Mastroianni/Officinema】
 17.30- Schermi e Lavagne: Cinenido – Visioni disturbate
       ~スクリーンという黒板 映画が子守唄、映画館がゆりかご~
       "LA SCIENCE DES RÊVES"
        『恋愛睡眠のすすめ』
        ミシェル・ゴンドリー監督 Michel Gondry
        フランス/イタリア 2006年 105分

 20.15- Route 77. Collettivo femminista di cinema di Roma
       ~ルート77 映画とその周辺 フェミニストによるローマ映画特集~
       "L'AGGETTIVO DONNA"
        ロニー・ダオポウロ/アンナベッラ・ミスクーリオ監督
        Rony Daopoulo e Annabella Miscuglio
        イタリア 1971年 54分
       "IL PIACERE DEL TESTO"
        アドリアーナ・モンティ監督 Adriana Monti
        イタリア 1977年 10分

 22.15- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       "L'HOMME QUI AIMAIT LES FEMMES"
        『恋愛日記』
        フランソワ・トリュフォー監督 François Truffaut
        フランス 1977年 118分 
        オリジナル言語版 イタリア語字幕

【チェルヴィ・ホール Sala Cervi】
 15.30- BilBOlBul. Festival Internazionale di Fumetto
       ~ビルボルブル 国際マンガフェスティバル~
       "SOMNAMBULE"
        Anke Feuchtenberger監督
        ドイツ 2006年 15分
        監督来場予定 マッテオ・ステファネッリMatteo Stefanelliによる紹介

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【ひとこと】ローマ映画とはたぶんローマを舞台にした映画じゃあないでしょうか。しかもフェミニズム関連。前者はフェミニズムに関するイタリア初のドキュメンタリーで、映画実験センターCentro Sperimentale di Cinematografia(CSC、ローマ)の製作、後者は女性のもの書きたちの集会を撮影、とあります。ミシェル・ゴンドリーは例の小作品集DVD買ったんですけど、どこ行ったんだろう、変態的コマ撮りとか結構好きです。チェルヴィ・ホールはチネテカの本部やインマージネ・リトロヴァータImmagine Ritrovataのラボがある建物にある上映室で、ボローニャ大学の映画関連の授業が行われたりします。映画館が学生のすぐ側にあるんです。こういうとこ、日本にあるのかなあ。
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by kantacantalavita | 2007-03-17 20:08 | Cineteca Bologna | Comments(0)
2007年 03月 16日

2007/03/16 金曜日

ボローニャのシネマテーク『リュミエール』の2007年3月16日(金)上映プログラムです。

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Cineteca di Bologna "Lumière"のホームページはコチラからどうぞ。
当日のプログラムへはトップページ左上の"oggi"から。

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【第1上映室スコセッシ Sala Scorsese】
 18.00- Omaggio a Philippe Noiret ~フィリップ・ノワレ特集~
       "LA VIE DE CHATEAU"
        『城の生活』
        ジャン=ポール・ラプノー監督 Jean-Paul Rappeneau
        フランス 1966年 93分
        オリジナル言語版 イタリア語字幕

 20.30- BilBOlBul. Festival Internazionale di Fumetto
       ~国際マンガフェスティバル~
       "RAT-MAN E IL SEGRETO DEL SUPEREROE"
        マッシモ・モンティジャーニ監督 Massimo Montigiani
        イタリア 2006年 70分

 22.30- Omaggio a Fassbinder ~ファスビンダー特集~
       "IN EINEM JAHR MIT 13 MONDEN"
        『13回の新月のある年に』
        ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督 Rainer Werner Fassbinder
        西ドイツ 1978年 124分
        オリジナル言語版 イタリア語字幕

【第2上映室マストロヤンニ Sala Mastroianni/Officinema】
 19.30- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       "FORZA ITALIA!"
        ロベルト・ファエンツァ監督 Roberto Faenza
        イタリア 1977年 89分
        監督による解説

 22.15- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       "NASHVILLE"
        『ナッシュヴィル』
        ロバート・アルトマン監督 Robert Altman
        アメリカ 1975年 160分
        オリジナル言語版 イタリア語字幕

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【ひとこと】わかってるんです、自分の生まれた70年代をおろそかにできないことは。わかってるんですよ。
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by kantacantalavita | 2007-03-16 21:42 | Cineteca Bologna | Comments(0)
2007年 03月 15日

2007/03/15 木曜日

ボローニャのシネマテーク『リュミエール』の2007年3月15日(木)上映プログラムです。

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Cineteca di Bologna "Lumière"のホームページはコチラからどうぞ。
当日のプログラムへはトップページ左上の"oggi"から。

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【第1上映室スコセッシ Sala Scorsese】
 20.30- Coppie di fatto: i mestieri. La musica
       ~複数の事実 職業:音楽家~
       "THE KILLING"
        『現金に体を張れ』
        スタンリー・キューブリック監督 Stanley Kubrick
        アメリカ 1956年 85分
        オリジナル言語版 イタリア語字幕
        ミケーレ・ファッダMichele Fadda(ボローニャ大学教授)の解説

 22.30- Coppie di fatto: i mestieri. La musica
       ~複数の事実 職業:音楽家~
       "THE PIANO"
        『ピアノ・レッスン』
        ジェーン・カンピオン監督 Jane Campion
        オーストラリア/ニュージーランド/フランス 1993年 121年

【第2上映室マストロヤンニ Sala Mastroianni/Officinema】
 19.45- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       70年代のラジオ番組解説

 22.15- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       "A WOMAN UNDER THE INFLUENCE"
        『こわれゆく女』
        ジョン・カサヴェテス監督 John Cassavetes
        アメリカ 1974年 155分

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【ひとこと】70年代中頃、イタリアには様々なラジオ放送があって、その様子は『ペッピーノの百歩』なんかでも見れますが、「自由ラジオradio libere」なんても言ったらしいですけど、ボローニャにも伝説的な放送局Radio Aliceというのがあって、今でもその名はあちらこちらで耳にします。きっと面白いんでしょうけど、映像のない音声なら音声のない映像の方が好みです。比較の問題ではないんですけど。キューブリックもカサヴェテスも見たいです。"coppie di fatto"をうまいこと訳せません。
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by kantacantalavita | 2007-03-15 20:37 | Cineteca Bologna | Comments(0)
2007年 03月 15日

The good humor man he sees everything like this.

今夜はややロマンチック、『KANTA CANTA LA VITA』です。

日本からの旅行で我が家に滞在していた友人と訪れたフィレンツェで、偶然時を同じくしてフィレンツェに来ていた愚妹その2とその素敵な友人と、以前から約束していたレストランで美味しい食事をしました。一緒に行った友人の友人が料理人をしているお店で、まあ何かの巡り合わせでこうなったんだからと、1組の家族関係、2組の友人関係、3組の初対面という4人での食事だったわけですが、お店と友人の友人である料理人の名は、こちらに来て最も美味しかった料理屋リストにその名をさきほど書き込んだところです。ところが、その店にかなり期待していて、しかもその期待を裏切ってさらに美味しかったところまで考慮しても、これはある種「予定通り」だったのです。

半日のフィレンツェ歩き。日曜日で店が開いていないことを予感しつつそれでもモツのパニーノが食べたくて、しかも数時間後にはきちんとした料理が食べられるのに、どうしても食べたいものなので目当ての店を目指していた折、恐ろしく込み合うサン・ロレンツォ教会付近で僕を名を呼ぶ女の子の声が聞こえます。イタリア語で"Canta!!"(カンタ!!、「歌え」の意)と言ってるんじゃありません。こんなところで見ず知らずの人に歌わせたがる奴はイタリア広しと言えどそう多くないはずですし、なにより「さん」付けでした。間違いありません、去年の夏に数人の仲間と一緒にニースに行ったりしたんですど、その時の仲間の一人で、この春からの就職も決まり、卒業旅行に来ていた大学の後輩です。繰り返しますが、恐ろしい混雑のフィレンツェ、しかも相当な割合で日本人による賑わいで、以前日本に一時帰国した友人が帰国直後の印象として言っていた「会う人全てが知り合いに見える」という感覚の、その「海外出張版」のようなものを体験していた最中、実際に本当の知人に出くわしても不思議ではないなあ(いや、不思議だ)と反語的にその人の多さに圧倒されていたところで、本当に本当の知り合いに会ってしまったわけです。錯覚と予感が交錯し、その上で間違いない事実を突きつけられるとひどく混乱するのは予想に難くなく、一種異常な興奮で束の間の再会を喜び、再々会を約束し逃げるように(その実、そんな僕を見た後輩は「逃げたいんですか?」と二度三度と繰り返す、そうじゃないんだ!)理解できないその場を離れました。

前夜。ローマの知人からの電話。「明日暇ですかね?」「いやあ、暇じゃないんですよ、フィレンツェに行かなくちゃならなくて・・・。」「え?!今フィレンツェにいるんですよ。」「・・・、じゃあ、お会いしましょう。」電脳の世界の知人で、実際の面識のなかった彼女との待ち合わせはジョットの鐘楼の下でした。電脳世界に対する不信感もあってか、彼女とは何とか一度直接会っておきたいと思っていたところの電話。1年とちょっとの間にフィレンツェに来たのはこれが5回目ですが、1回目は滞在時間20分でしたし、2回めは列車の乗り換えでした。前回は先週ですし、今回だって実際の滞在は半日です。にもかかわらずこの時間的にも空間的にも「ピン・ポイント」なこの待ち合わせ。身の回りを取り囲む世界の大きさとそこに犇く理解できなさ加減に比べれば、ジョットの鐘楼だって針みたいなものです。この偶然も当然理解を超えています。

15年来の友人との半日フィレンツェ歩き、思いがけない後輩と再会とその友人2人との初対面、会いたかった人との絶妙なタイミングで初顔合わせとその友人との初対面、久しぶりの妹との再会とその友人との初対面、友人の友人であり直接友達になりたいご機嫌な料理人との初対面、より根本的な、この季節のフィレンツェの人の多さ。実のところ、素敵な夕食を終え、ボローニャ行き最終鈍行列車を目指す頃にはくたくたで、頭は完全に機能停止していました。間違った道順でどうやって駅に着いたのか覚えていないのはほとんど一人で飲んでしまったワインのせいではなかったはずです。

車中、ぐっすり眠る友人を尻目に、僕は斜め前方に座る若いおばあちゃん若いお母さん幼い娘のそっくりさ加減に感動していました。発車前、窓の外の父親とはイタリア語で話していた女の子はおばあちゃんとは聞き慣れない言葉で話をしています。色々なものが理解を超えているその時にあっては、「そういうもんだ」と納得するしかないことを教えてくれます。

e0017332_1031643.jpg懐かしい友人たち家族恋人が来ては去っていった日々が終りました。あまりの忙しさに、「俺は『橋』みたいなもんさ、誰かがやってきては誰かが去っていく。橋を渡っていることさえ気がつかない、そんな橋さ。」なんてイタリア人の友人に言ったのを覚えています。いやいや橋には橋の喜びがありますし、それはきっと「渡す」ことですし、実のところ僕は橋ではありません。どこかに「俺は架け橋だ!」と吠えたこともありますが、あれだって半分くらいは言葉遊びです。そうじゃなくて僕は橋の下を流れている川です。流されてるんじゃない、流れているんだと。昔、「リバー・ランズ・スルー・イット」という映画がありました。「なんかいろいろあったけど、それでも川はその『いろいろ』の間を流れている」というようなエンディングだったと記憶しています。「ああ、川の流れのように」なんて歌った歌手もいましたね。使い古しなりの真実があるような気がします。どこかにたどり着く反面、それ以外のところにはどうやってもたどり着けない。流されてるんじゃない、流れているんだと言いながら、勾配がなければ流れることもできず、淀んだり、曲がりくねったりします。誰かに汚され誰かに浄化され、分岐してまたくっついて、枯れては現われ、高いところに上らず、それでもどこかを通り過ぎ、いつかどこかにはたどり着く。・・・ん?でその次は水蒸気になって雲になって雨になってまた振り出しに戻るのか。今の暮らしで、行き着くであろう海のこと、雨になって振り出しに戻ることを考えるのは不健康です。とにかく、いろいろあるけど、"The river runs through it"なのです。

あ、川には時々かわった生き物が迷い込みます。たまちゃんとか、なんとかちゃんとか、川にいるはずのないアザラシのような予想だにしない生き物が。フィレンツェからようやくたどり着いたボローニャ駅。いましたよ、KANTACANTALAVITA川にも思いがけないたまちゃんが。バルセロナからボローニャ近郊のフォルリに着いたバスケットボール仲間であり、イタリア語の後輩でもある友人が、家族の待つフィレンツェを目指したその途中のボローニャでとうとう列車を連絡できなくなり、午前零時を過ぎた怪しすぎる駅構内で足止めを喰らってたまちゃんのように比喩的に震えていました。僕がボローニャに暮らしているのは知っていたし、何なら若干アテにしていた様子もありましたが、連絡先も知らず、かといって頼るものも同様の発車待ちの旅人以外になく、朝4時の列車まで待ちぼうけを覚悟していたところに、僕は帰ってきてしまったわけです。リカイデキナイ。「・・・そういう時大人は酒を飲む。」明け方まで酒飲みをして、翌日はそのままの勢いでバスケットボールを一緒にしました。

運命とかあまり考えませんが、こういうこともあるんだなあと感動します。色々な人がやってきた2月中旬から3月中旬、中でも色んな人に会った3月11日でした。来てくれたみんなありがとう、会ったみんな楽しかったよ。

(写真はボローニャのレーノReno川。)
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by kantacantalavita | 2007-03-15 01:05 | 親愛なる日記 | Comments(0)
2007年 03月 15日

2007/03/14 水曜日

好評につき復活です。

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ボローニャのシネマテーク『リュミエール』の2007年3月14日(水)上映プログラムです。

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Cineteca di Bologna "Lumière"のホームページはコチラからどうぞ。
当日のプログラムへはトップページ左上の"oggi"から。

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【第1上映室スコセッシ Sala Scorsese】
 18.00- BilBOlBul. Festival Internazionale di Fumetto Convegno di apertura
       ~国際漫画祭 開祭会議~
       入場無料

 20.15- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       "O PASSADO E O PRESENTE"
        『過去と現在 昔の恋、今の恋』
        マノエル・ド・オリヴェイラ監督 Manoel de Oliveira
        ポルトガル 1971年 120分

 22.30- "MONTY PYTHON AND THE HOLY GRAIL"
        『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』
        テリー・ギリアム監督 Terry Gilliam
        イギリス 1974年 90分

【第2上映室マストロヤンニ Sala Mastroianni/Officinema】
 19.45- Route 77. Cinema e dintorni Collettivo Cinema Militante
       ~ルート77 映画とその周辺 闘争映画集団~
       "NO ALLA TREGUA" 1969-1972
       "PAGHERETE CARO, PAGHERETE TUTTO" 1975年
       "GLI ANNI DELLA RABBIA"
        ラヌッチョ・ソーディ監督 Ranuccio Sodi
        イタリア 2006年 
        ラヌッチョ・ソーディによる解説

 22.15- Route 77. Cinema e dintorni ~ルート77 映画とその周辺~
       "THE DEER HUNTER"
        『ディアハンター』
        マイケル・チミノ監督 Michael Cimino
        アメリカ 1978年 183分

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【ひとこと】「好評」というのはこの場合、「不評さえない」という意味です。
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by kantacantalavita | 2007-03-15 00:52 | Cineteca Bologna | Comments(0)
2007年 03月 14日

シネマテークにしねまっていこ(第8回)

『KANTA CANTA LA VITA』がオールドファッション幹太の名で綴る外部コラム『シネマテークにしねまっていこ』を更新しました。

大阪ドーナッツクラブはコチラ

『シネマテークにしねまっていこ』第8回はコチラ
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by kantacantalavita | 2007-03-14 11:10 | 追加・更新・変更・リンク | Comments(0)