KANTA CANTA LA VITA

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2007年 07月 09日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭後記)

腑抜けている間もありません『KANTA CANTA LA VITA』です。

復元映画祭は、昨夜の『黄金狂時代』の野外上映でもって終了しました。チネテカの代表であるジャン・ルーカ・ファリネッリ氏の最後の言葉「また来年!」には感極まるものがありました。来年の今頃、僕はどこで何をしているのでしょうか。

去年の今頃は、映画祭期間中に友人が来て、家族が来て、竜巻のような日々だったのを覚えています。今年は、割と静かに集中できたと思います。その分、諸手を挙げての単なる「すごいすごい」の感動ではない、いまだ形にはなっていないけれども、「もやっとした塊」が自分の中に残ったような気がします。これを表現する言葉はもちろん今の僕は持ちませんが、まあこうして、日々を綴っていけば、ああ、あのときのあれがこれか、という実感がどこかで湧くかも知れません(湧かないかも知れません)。

毎日報告するつもりでいた「当日の記録」も、当然といえば当然なのですが、無理がありました。なんとか、今日になってすべて書き上げましたが、その日の「生」の感覚は失われてしまったのは残念です。さらに言えば、本当に単なる個人的メモでしかなく、報告になりえていません。俯瞰的なものは追々どこかで書こうと思います。

個人的なハイライトは、1907年特集のカラー編とニールセン特集とマタラッツォ特集、それにキューブリックの『博士の異常な愛情』の4k修復版でしょうか。日本が関わっているふたつのプログラムも刺激的でした。折に触れ、疑問に答えてくれる人が周りにいたことも良かったです。色んな人と話し、話さず、良い経験ができました。「目の当たり」にし、「肌身に感じる」ことは、これから何かの栄養になると思います。こぼしたことは多いですが、まあ良しとしましょう。

さて。

やるべきことは多く、やりたいことはさらに多いです。学ぶべきことは多く、知らないことはさらに多いのです。
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by kantacantalavita | 2007-07-09 02:39 | 親愛なる日記 | Comments(0)
2007年 07月 06日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その8)

【最終日】 2007年7月8日 (土曜日)

9:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~
 ・"HAMLET"
  監督:Sven Gade/Heinz Schall
  製作:ドイツ 1920年
  35mm 2160m 105分(18fps) カラー ドイツ語インター・タイトル  英語字幕
【ひとこと】伴奏はAntonio Coppola。オリジナルは2367m。ハムレットが実は女だったという新解釈をした研究家がいると冒頭に字幕で説明があるが、真偽は不明。窓の外を眺めるハムレットとアーチ型のマスク。青調色と黄(あるいは赤、セピア)染色の併用がある部分があるんじゃないかと思うも、確かめようがない。最後の方にはそれに手着色も加わっていると思うも、カラー・フィルムでの復元ならば、可能性としてオリジナルの色は復元されていないのではないか。ニールセンは30代後半とは思えないほどに若々しい。

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前の映画 1907年の映画特集~
 ・"DÉBUTS D’UN PATINEUR"
  監督:Louis Gasnier
  出演:Max Linder
  製作:Pathé フランス 1907年 
  35mm 116m 6分(16sps) 白黒 
 ・"LES PÉRIPÉTIES D'UN AMANT"
  製作:Pathé フランス 1907年
  出演:Max Linder
  35mm 117m 6分30秒(16fps) 白黒
 ・"PITOU BONNE D'ENFANTS"
  製作:Pathé フランス 1907年
  出演:Max Linder
  35mm 120m 6分30秒(16fps) 白黒 
 ・"PARIS ÉLÉGANT: LE BOIS DE BOULOGNE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 48m 3分(16fps) 白黒
 ・"LA MARSEILLAISE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 65m 3分30秒(16fps)
 ・"LE THÉ CHEZ LA CONCIERGE"
  監督:Louis Feuillade
  製作:Gaumont フランス 1908年
 ・"LE RÉCIT DU COLONEL"
  製作:Gaumont フランス 1907年
  36mm 65m 3分30秒(16fps) 白黒
 ・"L'ARMÉE RUSSE EN MANCHOURIE"
  製作:Radios フランス 1907年
  35mm 72m 4分(16fps) 白黒
 ・"LA TERREUR EN RUSSIE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 142m 8分(16fps) 白黒
 ・"LA TERRORISTE"
  製作:Gaumont フランス 1907年
  35mm 218m 11分(16fps) カラー
 ・"LES ÉVÉNEMENTS AU MAROC"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 187m 10分(16fps)
【ひとこと】①スケート・デビュー。②パテ作品でよく見かける女優。③は「電話する犬」と同じカフェ。④パリの眺め。⑤サウンド版。フランスの国家。えらく朗々と歌うなあと思ったらfpsを調節した。カタログの記載は誤りか、前プロと同じ16コマ/秒。⑥ELGEのマーク。建物を叩いたら壁が波打った。⑥インター・タイトルに記された1824-4は、左が作品番号、右が字幕番号と想像する。その他、テロ、暗殺関係、戦地モロッコの映像(断片というよりも切れ端の最初のタイトル)。Mariann Lewinskyの解説。最後に、何度も見た「花と女ふたり」も上映された。Alain Baentsのピアノ伴奏。

12:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"DER GEHEIME KURIER"
  監督:Gennaro Righelli
  製作:ドイツ 1928年
  35mm 1790m 65分(24fps) カラー フランス語インター・タイトル
【ひとこと】Marco Dalpaneの伴奏。モジューヒン出演。イタリア人の監督。トラベリングやアングルが面白い。デ・パルマ的な回転トラベリングも。色に関してメモを取っているがまったく読めず。ナイトレート・ポジからの復元。

14:45- Chapliniana ~チャップリン関連~
 ・"HIS TRYSTING PLACE"
  監督:Charles Chaplin
  製作:アメリカ 1914年
  35mm 33分 英語インター・タイトル
 ・"MABLE'S STRANGE PREDICAMENT"
  監督:Mack Sennett/Henry Lehrman
  製作:アメリカ 1914年
  35mm 17分(16fps) 英語インター・タイトル
【ひとこと】担当者が当日にイギリスから鞄に入れてもって来たという冗談が出るほどに、最近の復元プリント。Kieron Webb (BFI National Archive)の解説。Neil Brandの伴奏。

16:30- Il cinema più grande della vita ~シネマスコープ特集~
 ・"CHINA GATE"
  監督:Sam Fuller
  出演:Angie Dickinson/Gene Barry
  製作:アメリカ 1957年 
  35mm 97分 白黒 英語版
【ひとこと】今映画祭初のチネマ・アルレッキーノ、シネマスコープ。プリントの傷みは激しい。特に映写傷。過激な画面(明滅、短いモンタージュ)に目を閉じたらもうエンディングだったという有様。前の上映から入館して、字幕の投射がどうされているのかを見ることができた。完全自動で驚いた。何のプログラムだったのだろう。

18:15- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラッファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"L'ANGELO BIANCO"
  監督:Raffaello Matarazzo
  出演:Amedeo Nazzari/Yvonne Sanson
  製作:イタリア 1955年
  35mm 100分 白黒 イタリア語版
【ひとこと】"I figli di nessuno"の続編。イヴォンヌ・サンソンの二役だがそれほど魅力もなく。白黒に戻ったことの経緯というか背景を知りたい。なぜここで、続編なのか。アイデアの枯渇?

22:00- Chapliniana ~チャップリン関連特集~
 ・"THE GOLD RUSH"
  監督:Charles Chaplin
  出演:Charles Chaplin/Mack Swain
  製作:アメリカ 1925年
  35mm 2400m 87分(24fps) 
【ひとこと】最終上映。恐ろしい人だかりだが、なんとか最前列に席を確保できた。目の前に総勢70名のオーケストラ。まだ復元は"Work in progress"なんだと。"Prima mondiale della partitura restaurata"とあるが、世界初は別として、楽曲の復元とはいったいなんなのか。Gian Luca Farinelliの「また来年!」という言葉に涙が出そうになる。
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by kantacantalavita | 2007-07-06 03:40 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 06日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その6)

【6日目】 2007年7月5日 (木曜日)

9:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~
 ・"ERDGEIST"
  監督:Leopold Jessner
  製作:ドイツ 1922年 
  35mm 1955m 94分(20fps) 白黒 オランダ語インター・タイトル
【ひとこと】Maud Nelissenの伴奏。オリジナルは2137m。おかっぱのニールセン。原作の『ルル』(著者Franz Wedekind)を読んでいないからわからないのだが、果たしてそういう記述があるのか、1929年のパブスト監督作品『パンドラの箱』のルルもおかっぱである。天井の高い室内、垂直方向を意識させるセット、床のジグザグ模様は表現主義(というか『カリガリ博士』)を思ってしまうが自分の中に必然性はない。いちいち自らの胸に手をやるニールセンと、毎度それに目を奪われる僕と、何かと鼻を鳴らす男性観客たち。今回の特集で見た中では最も大きいクローズアップ(超近接)が見られる。黒背景はしばしば用いられる。銃をたばこのように指に挟んで持つのはおかしいだろう。

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画特集~
 ・"DANSES COSMOPOLITES"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 77m 4分(16fps) 着色(Pochoir)
 ・"LE PIED DE MOUTON"
  製作:Pathé フランス 1907年
  監督:Albert Capellani
  35mm 274m 15分(16fps) 着色(Pochoir)
 ・"KIRIKI, ACROBATES JAPONAIS"
  監督:Segundo de Chomón
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 65m 3分30秒(16fps) 着色(pochoir)
 ・"AMOUR D'ESCLAVE"
  監督:Albert Capellani
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 203m 11分(16fps) 着色(pochoir)
 ・"LA COURSE DES BELLES-MÈRES"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 78m 4分(16fps) 白黒
 ・"HALLUCINATIONS D’UN PIERROT"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 50m 3分(16fps) 白黒
 ・"LITTLE TICH"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 130m 7分(16fps) 白黒
 ・"LE SPECTRE ROUGE"
  監督:Segundo de Chomón
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 170m 9分(16fps) カラー
 ・"EAU D’ARTIFICE"
  監督:Kenneth Anger
  製作:アメリカ 1953年
  16mm 141m 13分
【ひとこと】Mariann Lewinsky解説、Alain Baents伴奏。①この特集の一番最初がある意味もっと美しかった。これから踊らんとする男女の多重露光と複数の色。踊りも着色もモンタージュも華麗である。②セットなど動きのないところはPochoir、動きの激しいところは筆?の跡みたいなのが見えるから手着色と考えるが果たして。③「日本の気力」。床に横になって演技する人たちを垂直俯瞰で撮る特殊撮影。あまりの出来の良さにしばし我を忘れて喜ぶ。一人一人の動きが細かく個性があるのが良い。④紫という色。布の組体操。⑤おばさんの競走は今映画祭3回目だ。⑥『天井桟敷の人々』的ピエロが酔っ払ってる。石像がベールで踊るが、『トロイ没落』の足元にも及ばない、などと思ったりもして。⑦小男のご機嫌なダンス。大きすぎるブーツとつま先の長い靴のギャグ。⑧骸骨。セットが凝っていて、しかも着色してある。オリジナルは190m。2007年ボローニャのラボで復元、国立映画博物館協力。⑨ケネス・アンガーがこの特集に最後に出てくると、印象としては引き立て役でしかないように思えてしまう。数年前にビデオで見て、フィルムで見たいものだなあと思ったものだが、期待したほどの革命はない。

12:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"ERO E LEANDRO"
  製作:S.A. Ambrosio イタリア 1910年
  35mm 207m 12分(16fps) 染色調色 イタリア語インター・タイトル
 ・"LA MADRE E LA MORTE"
  製作:S.A. Ambrosio イタリア 1911年
  35mm 150m 8分(16fps) 染色 イタリア語インター・タイトル
 ・"WHERE’S MY HAT?"
  監督:Bud Duncan
  製作:アメリカ 192?年
  35mm 583m 25分30秒(20fps) 白黒 英語インター・タイトル
 ・"HER BIRTHDAY PRESENT"
  製作:アメリカ 1913年
  監督:Mack SennetあるいはHenry Pathé Lehrman
  35mm 106m 6分(16fps) 白黒 フランス語インター・タイトル
【ひとこと】伴奏はAlain Baents。①けばけばしい染色。オリジナルのプリントを用いないインタータイトルの再構築を「フラッシュ」と言うんだったか、要確認。波打ち際、女は無声で"Aspetta!"と言った。ボローニャのラボでの復元。②は死神がいきなりラップ・ディゾルヴで登場。子を抱いて消えるタイミングは完璧である。トロイ的(造語)に透ける女。氷柱と滝と逆光ショット。揺れる水面に息子の将来をラップ。最後のふたつの象徴的なショット(ナイフと花)。③ケツを打たれて平然としているところで一番笑った。④2006年にナイトレートの素材から復元。

14:50- Dossier Lubitsch ~ルビッチ関連企画~
【ひとこと】渡米前後(1922年~1923年)のルビッチを探る研究。"Das Weib des Pharao"のセットやエキストラの話、"Die Flame"の断片を用いた再構築、"Faust"のスクリーン・テスト。解説はStefan Droessler (Filmmuseum Muenchen)。演技チェックの割と長い映像が始まったら席を立つ人が増えたが、最後に「ブー」と「ピー」のオチがついたのを彼らは知らない。

16:15- Chapliniana ~チャップリン関連企画~
 ・"MARCELINE, THE WORLD-RENOWED CLOWN OF THE N.Y HIPPODROME"
  出演:Marcelin
  製作:The Wintrhop Moving Picture Co. アメリカ 1907年
【ひとこと】チャップリン研究の大家David Robinson(しぐさまでチャップリン的に見える)が、若きチャップリンに影響を与えたとされる"Marceline il clown"を解説。唯一残る断片は、1907年にアメリカ議会図書館に収められたペーパー・プリントで、50年代に16mm、ついで35mmにブローアップされたもの。プリントに関しては昨年のポルデノーネで既見。35mm版は145コマ(クレジット87コマ、実際の映像58コマ)を5回プリントして1本としている。黒画面を含めた全長は23m、1分18秒(16fps)。断片自体は4秒分しか残っていないのだが、こういう研究の重要性は日本でも見直されたら良いなあ。

17:00- Chapliniana "Chaplin senza baffi" ~ヒゲなしチャップリン~
 ・"THE MASQUERADER"
  監督:Charles Chaplin
  製作:Mack Sennett/Keystone Film Company アメリカ 1914年
  35mm 314m 15分(18fps) 染色フィルム 英語インター・タイトル
 ・"A WOMAN"
  監督:Charles Chaplin
  製作:Jess T. Robbins/Essanay Film Manufacturing Company 1915年 アメリカ
  35mm 25分 白黒 フランス語インター・タイトル
【ひとこと】Serge Bromberg (Lobster Films)の解説と伴奏。ひげを蓄えたGian Luca Farinelliが「唯一の共通点であるヒゲ」を取り上げてくれたことに触れる。女装のチャップリンは意外と美人である。

18:00- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラッファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"TORMENTO"
  監督:Raffaello Matarazzo
  出演:Amedeo Nazzari/Yvonne Sanson
  製作:イタリア 1953年
【ひとこと】毎日マタラッツォ作品を1本観ていること、似たような人物設定、と語構造、そして何より同じ出演人ということもあって、実のところ、どれがどれだったかわからなくなっている。要整理。教訓のひとつは「領収書は大事」というかとか。身に染みる。
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by kantacantalavita | 2007-07-06 03:36 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 06日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その7)

【7日目】 2007年7月6日 (金曜日)

9:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~
 ・"LASTER DER MENSCHHEIT"
  監督:Rudolf Meinert
  製作:ドイツ 1926年
  35mm 1985m 87分(20fps) 白黒 ドイツ語インター・タイトル
【ひとこと】Maud Nelissenの伴奏。数年映画を離れていたニールセンの映画復帰作。45歳、太っててびっくりした。首の太さ、背中の広さ。電飾のラップ、影で描かれたバンド、ある朝のニールセンをチルト・ダウンで撮る(死んだような表情、パイプ)。ショットの等級を変えながら、銃と顔を繰り返す。一瞬、質素な格好(ほとんど襤褸)を着たニールセンのショットが入る場面があるが意図はわからず。禁断症状の出た男と割れた鏡。

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画特集~
 ・"DRAME A SÉVILLE / CORRIDA"
  製作:Pathé フランス 1907年
  出演:Max Linder
  35mm 265m 15分(16fps) 白黒 仏独インター・タイトル
 ・"COCHON DANSEUR"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒 
 ・"LA MAISON ENSORCELÉE"
  監督:Segundo de Chomón
  製作:Pathé フランス 1907年
   (Francia/1907) R.: . Prod.: Pathé. D.: 6’30’’
 ・"LA COURSE AUX POTIRONS"
  製作:Gaumont フランス 1907年
  35mm 134m 7分(16fps) 白黒
 ・"LE DOMESTIQUE SE VENGE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 54m 3分(16fps) 白黒
 ・"LE PENDU"
  製作:Pathé フランス 1907年
  出演:Max Linder
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"CATCHING A FOX"
  製作:ドイツ 1907年
  35mm 100m 5分30秒(16fps)
 ・"LE PETIT CHAPERON ROUGE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 97m 5分(16fps) 白黒
 ・"L'HOMME AIMANTÉ"
  製作:Gaumont フランス 1907年
  監督:Romeo Bosetti
  35mm 150m 5分(16fps) 白黒
 ・"UNE FERME AUX AUTRUCHES"
  製作:Eclipse フランス 1907年
  35mm 67m 4分 白黒
【ひとこと】Mariann Lewinskyの解説。Neil Brandの伴奏。上映前にピアノの調律が行なわれる。グランドピアノの中を初めて見た貴重な映画外体験。調律士、数人のピアニストの確認作業がおもしろい。一個の鍵盤を鳴らすだけで、「ほらね?」というような瞬間には驚いたが、当然のことなのだろう。①オリジナルは253mだが上映版は155m。闘牛の場面が圧巻。②踊る豚の着ぐるみ。映像的にどうとかではなく、豚の細部が気持ち悪い(牙、目、鼻のしわ、べろ)。③お化け屋敷。透けた布と骸骨(ラップ)、コマ撮りの食卓の、本来動いていないはずの動作の細かさに拍手。④転がるかぼちゃ。もうちょっとヒネリがほしい。ハイライトは頑ななロバ。⑤歯医者と獣医の看板を取り替える。André Deed。⑥28mmポジからの復元。粗い画。首吊りをすぐに助けない。自転車の空気入れで復活。⑦キツネ狩り、犬に食わせたり、死んでるものを動かして喜ぶ人たち。⑧赤頭巾。実際の狼(?)を起用。赤頭巾は食べられてFin。救いはないが前作⑦のカウンターパンチとも言える。⑨磁石の鎖帷子。ゴーモン作品のELGEマークはパテのニワトリに次いでよく見かける。⑩ダチョウ。

12:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"O MAGOS TIS ATHINAS"
  監督:Achilleas Madras
  製作:ギリシャ 1922年~1931年
  35mm 48分 カラー(染色 一部手着色) ギリシャ語インター・タイトル
【ひとこと】60年代に発見された素材。1922年に撮影開始された未完の作品の素材を一部用いて、1931年に別作品として完成する。ギリシャからは初のCinema Ritrovato参加作品。制作過程の混乱のせいか、インター・タイトルはギリシャ語を基本とし、その下に英語、あるいはフランス語のものがつけられる。群集と神殿の取ってつけたような合成。実際の神殿がそのままセットになるギリシャ、それを生かすためのロング・ショットが良い。染色には恐らく褪色と思えるものがしばしば。画面左が青いのに、中央より右はセピア。唐突な手着色、黄色の髪の毛、黄緑の服、赤い布。Marco Dalpaneの伴奏。

14:45- Omaggio a Michael Curtiz ~マイケル・カーティス特集~
 ・"NOAH'S ARK"
  監督:Michael Curtiz
  製作:アメリカ 1928年 
  35mm 2881m 105分(24fps) 白黒 英語字幕
【ひとこと】サウンド版。サウンドとトーキーが合体した不思議な作品。列車事故や洪水シーンのセットと合成はとんでもない。現代劇が史劇に替わるという語り方も嫌いではない。時代間の飛び方におもしろモンタージュもある。

16:30- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~
 ・"DER ABSTURZ"
  監督:Ludwig Wolf
  製作:ドイツ 1922年
  35mm 1928m 84分(20fps) 白黒
【ひとこと】Maud Nelissenの伴奏。画面サイズの誤り、インター・タイトルの枠組みが切れていて気づく。たまたま映写室の真下の席に座っていて、誤りに気づいた直後に指示が聞える。何かを「前に移動させる」らしい。しばし、マスケリーノやレンズの調節(上映は続いている)があったあとで、適正なものになる。 フィルム表面が溶解した劣化が後半続くが、ニールセンの画が失われていない奇跡を喜び、生き残ったプリントに感謝する。男殺害の知らせを受けたニールセンの演技のモンタージュに違和感があるのは、本来長廻しで撮った彼女の演技を、「切って貼った」んじゃないかという印象。鏡に映る自分を見つめるショット(カメラ目線)の迫力。

18:15- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラッファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"TORNA!"
  監督:Raffaello Matarazzo
  製作:イタリア 1953年 イタリア語版
  出演:Amedeo Nazzari/Yvonne Sanson
【ひとこと】時代はカラーである。Ferraniacolor。灰色や水色っぽい服に象徴される「青く冷たい画面」は、イヴォンヌ・サンソンの赤い唇のためにある。こういう思い込みは良くないのだが、重い内容なのに画面を駆け巡るワイプ(上下左右、タクシーワイプ再び)はどうしてもコメディ的である。教訓は、「手紙には日付を書け」、である。

22:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"DR. STRANGELOVE OR: HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB"
  監督:Stanley Kubrick
  製作:アメリカ 1964年 英語版
  35mm 96分 白黒
【ひとこと】マッジョーレ広場での野外上映。Grover Crisp (Sony Columbia)の解説。日本では(たぶん)まだされたことのない4kでのデジタル復元版。冒頭の雲、会議室の奥にあるビュッフェに差し込む外光、戦闘シーン。フィルムとの区別がつけられないのは言うまでもない。野外上映でこのクオリティだぞ。失われたオリジナル・プリントと並べて上映したい叶わぬ欲求。飛行機の合成は完璧である。
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by kantacantalavita | 2007-07-06 03:36 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 05日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その5)

【5日目】 2007年7月4日

9:15- Ritrovati&Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"NIPPON" (LIEBE UND LEIDENSCHAFT IN JAPAN)
  製作:日本 1932年
  35mm 1142m 40分(24fps) ドイツ語インタータイトル 日本語音声あり
【ひとこと】早稲田大学小松弘教授の解説。小石栄一の『天平時代怪盗沙弥麿』、星哲郎の『篝火』、牛原虚彦の『大都会 労働編』からの抜粋、再編集、サウンド化。 いずれもオリジナルは無声だが、国外で素人の声優が起用されて録音されたとか。『大都会~』は今回上映されなかったのが残念。チャンバラはすごいじゃないか。画作りも凝っているように思えた。

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画特集~
 ・"UN COUP DE VENT SUR LA PLAGE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 50m 3分(16fps) 白黒
 ・"CONSTRUCTION D'UN BATEAU DE PÊCHE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 115m 6分(16fps) 白黒
 ・"LA VEUVE DU MARIN"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 132m 7分(16fps) カラー
 ・"LA MER AU CLAIRE DE LUNE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 58m 2分30秒 カラー
 ・"LE PÊCHEUR DE PERLES"
  製作:Pathé フランス 1907年
  監督:Ferdinand Zecca
  35mm 160m 9分(16fps) カラー
 ・"MÉDOR AU TÉLÉPHONE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 43m 2分(16fps) 白黒
 ・"LA VENGEANCE DU FORGERON"
  製作:Pathé フランス 1907年
  監督:Lucien Nonguet
  35mm 136m 7分(16fps) カラー
 ・"INTERNATIONAL CONTEST FOR THE HEAVYWEIGHT CHAMPIONSHIP: SQUIRES VS. BURNS, OCEAN VIEW, CAL., JULY 4th/1907"
  製作:アメリカ 1907年
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"AU MUSIC-HALL"
  製作:Pathé フランス 1907年
  出演:Max Linder
  35mm 89m 5分(16fps) 白黒
 ・"[DANZE]"
  製作:フランス 1905年?
  35mm 35m 2分(16fps) 白黒
 ・"LES GLACES MAGIQUES"
  製作:Pathé フランス 1907年
  監督:Segundo de Chomón
  35mm 136m 7分(16fps) カラー(着色)
 ・"DIE MACHT DES WALZERS"
  製作:Deutsche Mutoskop und Biograph ドイツ 1907年
  35mm 75m 4分(16fps) 白黒 
 ・"ÉCLIPSE DU SOLEIL EN PLEINE LUNE"
  監督:Georges Méliès
  製作:Starfilm フランス 1907年 
  35mm 35m 2分(16fps) 白黒
【ひとこと】Eric De KuyperとMariann Lewinskyの解説。Donald Sosinの伴奏。②各社の『ローマ号~』もそうだけど、進水式とはなかなか良いものだ、動きがある。③黄色っぽい白、複数の青。フレーム内の両端が緑で、真ん中が水色というのは褪色のひとつなのか。⑤Segundo de Chomònの特殊効果。手着色だろうが、抜群に美しい。真珠貝の内側、タツノオトシゴ、エビ、タコ、ヒトデ、実際の魚。⑥電話する犬、パンフォーカスと走る犬。⑧ボクシング、右端にパーフォレーションが映る。⑬メリエス、太陽(男)と月(女)が重なる。

12:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見の復元特集~
 ・"PRAESTEN FRA HAVET"
  製作:デンマーク 1917年
  監督:Fritz Magnussen
  35mm 305m 37分(18fps) カラー セルビア語インター・タイトル
【ひとこと】伴奏はNeil Brand。1910年代の北欧映画のロケーション撮影の魅力を教えてくれたのはシェーストレムだったか。逆光の波打ち際と船影。インター・タイトルはもちろん理解できなかったが、フォントが違ったのが気になる。エンディングに強い劣化。

14:50- Una casa ritrovata. Le produzioni Corona – I film d’animazione 
 ~再発見された製作会社 コロナ・プロダクション アニメーション作品~
 ・"IL MICROREGISTA"
  監督:Bruno Bozzetto
  製作:イタリア 1960年
  35mm 312m 11分 カラー イタリア語版
 ・"IL GRANDE LUMACONE"
  監督:Max Massimino Garnier/Michel Clarence
  製作:イタリア/ベルギー 1976年
  35mm 310m 10分 カラー イタリア語版 
 ・"CENERENTOLA"
  監督:Pino Zac
  製作:イタリア 1966年
  35mm 348m 13分 カラー イタリア語版
 ・"L'APPUNTAMENTO"
  監督:Francesco Guido (Gibba)
  製作:イタリア 1965年
  35mm 265m 10分 カラー イタリア語版
 ・"IMMAGINI"
  監督:Manfredo Manfredi
  製作:イタリア 1977年 (Italia/1977) R.: . D.: 11’
【ひとこと】①は日本でもおなじみのブルーノ・ボッツェット。8mmにはまるロッシ氏がかわいい。奥さんを撮って、落選して、無茶苦茶した後ではカラーの実験映画になってる下りはずいぶん良い。②布と絵のアニメーション。カタツムリは酒を飲んで竜になる。③はまったく古さを感じさせない、実験的なアニメーション。女の子のかわいさが面白さを5割増しにしている。④や⑤も今の世の中でもずいぶん受けると思う。まあ、だからritrovato(ふたたび見出された)なのだけれども。日本アニメーションを得意とする友人ルカも来ていた。

16.00- Sacha recita Guitry ~サッシャ・ギトリ特集~
 ・"LE COMEDIEN – PROVE DI ATTORI"
  監督:Sacha Guitry
  製作:フランス 1947年 
  35mm 271m 9分52秒 白黒
 ・"AUX DEUX COLOMBES"
  製作:フランス 1949年
  監督:Sacha Guitry
  35mm 2644m 96分 白黒 フランス語版
【ひとこと】①はアウトテイク。色んな悪そうな男。②フランス語音声がわからなくて、途中からショットの持続時間を数えたりして過ごす。ABABABABという切り返しで、Bだけに劣化が見られるというのは、どういう保存のされ方をしているのだろうか。特にカタログに言及はないが、編集前のカメラ・ネガからの復元であると考えれば理解できる。

18:00- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラッファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"CHI È SENZA PECCATO"
  製作:イタリア 1952年
  監督:Raffaello Matarazzo
  出演:Amedeo Nazzari/Yvonne Sanson
  35mm 118分 イタリア語版
【ひとこと】今度のナッツァーリの職業は林業、カナダへ移住する。"I figli di nessuno"のFrançoise Rosayの左右非対称の顔が演技だと判り喜ぶ。特集ということもあって、同じキャストが続いているから、整理しないと区別がつかなくなる。日に日に客が増えるこの特集、自分の中で感情移入しないことを強いるタフな映画体験だ。
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by kantacantalavita | 2007-07-05 13:56 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 05日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その4)

【4日目】 2007年7月3日 (水曜日)

9:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~
 ・"DIE FILMPRIMADONNA"
  監督:Peter Urban Gad
  製作:ドイツ 1913年
  35mm 348m 17分(18fps) カラー 英語インター・タイトル
 ・"ENGELEIN"
  監督:Peter Urban Gad
  製作:ドイツ 1913年
  35mm 1605m 78分(18fps) 白黒 ドイツ語インター・タイトル
【ひとこと】Maud Nelissenの伴奏。①は裏舞台、メタ映画。カタログに、ニールセンがフィルムに触れる画が使われているが、それも含めて、現像や編集のショットがとても良い。オリジナルは1429mなので、「ほとんど残っていない」と言って良いか。本編終了後に、他の断片を求める字幕が入る今回のプリントには、現存のアメリカ版(ジョージ・イーストマン・ハウス)の225mとオランダ版(フィルムミュージアム)の89mが使われる。②画面比率が不思議なプリント、縦が短いから次のコマの上部が見え、それを調節したら、それまで適正だったインター・タイトルがずれた。中間を取って対処する。インター・タイトルに付された番号が飛ぶのは欠損していることを表すか?

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画~
 ・"VUES D’ESPAGNE EN CARTES POSTALES"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 100m 5分30秒(16fps) カラー
 ・"THE MAKING OF A MODERN NEWSPAPER"
  製作:Lubin アメリカ 1907年
  35mm 178m 10分(16fps) 白黒 
 ・"FIGURENTURNEN"
  製作:イギリス 190?年 
  35mm 101m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"BEN HUR"
  監督:Sidney Olcott
  製作:Kalem アメリカ 1907年
  35mm 96m 5分(16fps) 白黒
 ・"BARBE BLEUE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 182m 10分(16fps) 白黒
 ・"TOTO FAIT DE LA PEINTURE"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"L'ASCENSION AU MONT-BLANC"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 275m 15分(16fps) 白黒
【ひとこと】伴奏はAlain Baents。1976年にスイス人ジョワJoye神父が国立映画テレヴィジョン・アーカイヴに寄贈した1300本に及ぶジョワ・コレクション。Roland Cosandeyの解説。パワー・ポイントの表示がされず、何らかの画像が見れなかったし、裏巻きで裏返しの最後から始まる。①のフレーム内フレーム(絵葉書の中)。③のマスゲームは、濡れた地面と白黒の制服のおかげで動きの効果は倍加している。溶解あり。④はジョワ・コレクションから個人(Davide Turconi)が入手したプリントをチネテカ・ボローニャが購入した。

12:00- Progetto Emilio Ghione ~エミーリオ・ギオーネ・プロジェクト~
【ひとこと】書籍"Za la Mort: ritratto di Emilio Ghione"(Edizioni Cineteca)をVittorio Martinelliが紹介。突然映写が始まったと思ったら良いところで停止。Gian Luca Farinelliが、「ここで停めることによって、ギオーネを見れない苦しみを感じてほしい」と。解説の後、続きが始まり、Za la Mortが格好良く登場したところで映写終了。来年の映画祭ではエミーリオ・ギオーネ特集が組まれる。

12:30- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"RAGGIO DI SOLE"
  製作:S.A. Ambrosio イタリア 1912年
  35mm 278m 15分(18fps) 染色 スペイン語インター・タイトル
 ・"CRETINETTI RE DEI LADRI"
  製作:Itala Film イタリア 1909年 
  35mm 100m 6分(16fps) 一部カラー 
 ・"LA SUOCERA DI ROBINET"
  製作:S.A. Ambrosio イタリア 1913年
  35mm 80m 4分(18fps) 白黒(字幕はカラー) スペイン語インター・タイトル
 ・"LE CASCATE DI COURMAYEUR"
  製作:Itala Film イタリア 1909年 
  35mm 56m 3分(16fps) 染色調色 スペイン語インター・タイトル
【ひとこと】伴奏はAntonio Coppola。スペインFilmoteca de Catalunya所蔵のナイトレートの復元プロジェクト。ボローニャ、トリノ、ミラノが協力。Roc Villas(Filmoteca de Catalunya)の解説。①傷は多いが画は鮮明。ひどいペンギンが出てくる。鏡の反射を使った特殊?撮影。3分割のフレーム(真ん中に男と女、両端がパン)が良い。④の色の豊かさ。別にクールマユールの素晴らしさは伝わらない。

14:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画特集~
 ・"PIED PIPER OF HAMELIN"
  監督:Percy Stow
  製作:イギリス 1907年
  35mm 230m 12分(16fps) 白黒 
 ・"DREAMLAND ADVENTURES"
  監督:Walter R. Booth
  製作:イギリス 1907年
  35mm 161m 8分(16fps) 
 ・"WHEN THE DEVIL DRIVES"
  監督:Walter R. Booth
  製作:イギリス 1907年
  35mm 86m 5分(16fps) 
 ・"SORCERER'S SCISSORS"
  監督:Walter R. Booth
  製作:イギリス 1907年
  35mm 55m 3分(16fps)
 ・"OUR NEW POLICEMAN"
  監督:Lewin Fitzhamon
  製作:イギリス 1907年
  35mm 138m 7分30秒(16fps)
 ・"THAT FATAL SNEEZE"
  監督:Lewin Fitzhamon
  製作:イギリス 1907年
  35mm 103m 5分30秒(16fps)
 ・"BY THE SIDE OF THE ZUYDER ZEE"
  製作:Walterdaw イギリス 1907年
  35mm 29m 1分30秒(16fps)
 ・"TORPEDO ATTACK ON HMS DREADNOUGHT"
  製作:Charles Urban Trading Company イギリス 1907年
  35mm 131m 7分(16fps)
 ・"GREAT VICTORIA FALLS"
  製作:Charles Urban Trading Company イギリス 1907年
  35mm 57m 3分(16fps)
 ・"TRIP THROUGH BRITISH NORTH BORNEO"
  製作:Charles Urban Trading Company イギリス 1907年
  35mm 124m 7分(16fps)
 ・"MITCHELL & KENYON NO. 223 LLANDUDNO MAY DAY"
  製作:Mitchell & Kenyon イギリス 1907年
  35mm 36m 2分(16fps)
 ・"MITCHELL & KENYON NO. 484 CREWE HOSPITAL PROCESSION AND PAGEANT"
  製作:Mitchell & Kenyon イギリス 1907年
  35mm 148m 8分(16mm)
【ひとこと】Neil Brand伴奏。①は右端にセロテープのようなものが映っているが何かはわからない。⑥のくしゃみは地震を起こし、女性のかつらを飛ばす。 ⑦はサウンドらしいがレコードが消失。ピンボケの女性が波打ち際で踊り続ける。⑨の滝は前プログラムの滝より立派だが、「色」がない。メモがまったく読めないのは、恐らく疲れと眠気によるものと思われる。

16:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~
 ・"DIE SÜNDEN DER VÄTER"
  監督:Peter Urban Gad
  製作:ドイツ 1912年~1913年
  35mm 462m 23分(18fps) 白黒 ドイツ語インター・タイトル
 ・"DORA BRANDES"
  監督:Magnus Stifter
  製作:ドイツ 1916年 
  35mm 1236m 68分(18fps) ドイツ語字幕
【ひとこと】Maud Nelissenの伴奏。①はオリジナル911m。ニールセンの着せ替え人形的な側面は今回の特集で印象に残ったことのひとつだが、この作品もそのひとつ。②もうひとつニールセンで印象的なのは身を崩した時の演技。咥えたばこに酒、これは演技とは思えんくらいに完璧に良い(個人的に)。インター・タイトルの中に"Asta Nielsen Film"と"Saturn Film"とある。年間10本×4年という独占契約?に関する解説があったが、その数の多さのせいか、字幕がわからないとかなりわかりにくい監督術、あるいは私の不勉強。

18:30- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラッファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"I FIGLI DI NESSUNO"
  監督:Raffaello Matarazzo
  出演:Amedeo Nazzari/Yvonne Sanson
  製作:イタリア 1951年 イタリア語版
【ひとこと】音楽が"Bixio"となっているが、『カビリア』サウンド版との関連は?? 石切り場の一回転パンのオープニング。カッラーラの大理石の美しさ。キスシーンに目をふさぐ犬。"Suora Addolorata"って名前。ヒッチハイクしたトラックに乗ってた歌手、「マンマ!」。発破に巻き込まれた息子の主観ショットではないぼやけた映像は間接主観ショットというのか。

22:00- Piazza Maggiore Ritrovati & Restaurati
 ~マッジョーレ広場野外上映 再発見と復元特集~
 ・"PAPIROSNICA OT MOSSEL'PROMA"
   監督:Yuri Zhelyabuzhsky
  製作:USSR 1924年
  35mm 2302m 102分(18fps) 
  ロシア語インター・タイトル フランス語字幕(焼付) 
【ひとこと】キレはないが、穏やかに楽しむ。映画の舞台裏は相変わらず楽しむ。撮影、編集、ラッシュ上映。24年には「ソヴィエト最初のコメディ」と紹介されたとか。スキャットみたいなこともしちゃう伴奏のバンド(David Lefèbvre/Charlotte Castellat)も悪くない。Foundation Groupama Gan pour le Cinémaとシネマテーク・ドゥ・トゥールーズ(Cinémathèque de Toulouse)の復元。モスクワの古い街並み、ロケ撮影の美。7月の夜でも冷え込むことのあるボローニャの夏の典型?
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by kantacantalavita | 2007-07-05 13:55 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 05日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その3)

【3日目】 2007年7月2日

9:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集~   
 ・"DIE ARME JENNY"
  監督:Peter Urban Gad
  製作:ドイツ 1911年~1912年
  35mm 549m 30分(16fps) 白黒 ドイツ語インター・タイトル
 ・"VORDERTREPPE UND HINTERTREPPE"
  監督:Peter Urban Gad
  製作:ドイツ 1914年
  35mm 549m 30分(16fps) 白黒 ドイツ語インター・タイトル
  伴奏:Donald Sosin(ピアノ)
【ひとこと】階段の掃除シーンについての解説は、よく聞いていなかったが、悲劇と喜劇に見るほとんど同じショット。①に出て来た蝶々のついた帽子は既見。着せ替えの意識。文字通り「まぶしい」太もも。部分的にフィルムの劣化。②咥えたばこに吐いたつば、コーヒーを飲めば砂糖をなめ、ミルクの臭いをかぐ。なかなかまとめて見る機会は多くないはず。 回転するブランコという移動撮影、良く撮れてる。

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画特集~
 ・"IL VARO DELLA CORAZZATA "ROMA""
  製作:Cines イタリア 1907年
  35mm ?m ?分 白黒
 ・"UN VIAGGIO AL CHACO"
  製作:S.A. Ambrosio イタリア 1907年
  監督:Roberto Omegna
  35mm 95m 5分(16fps) 
 ・"IL CUORE PIÙ FORTE DEL DOVERE"
  製作:Rossi & C イタリア 1907年
  35mm 159m 9分(16fps) 白黒 
 ・"UN TESTAMENTO ORIGINALE"
  製作:S.A. Ambrosio イタリア 1907年
  監督:Giovanni Vitrotti
  35mm 160m 9分(16fps)
 ・"CACCIA ALLO STAMBECCO"
  製作:Rossi & C イタリア 1907年
  監督:Carlo Rossi
  35mm 150m 8分(16fps) 白黒
 ・"L'OMO TORPEDINE"
  製作:Rossi & C.
  35mm 110m 6分(16fps) カラー 
  英題:"The Electric Sword"
 ・"UN DRAMMA GIUDIZIARIO A VENEZIA"
  製作:Cines イタリア 1907年
  35mm 228m 12分30秒(16fps)
 ・"IL VARO DELLA CORAZZATA "ROMA""
  製作:[S.A. Ambrosio?] イタリア 1907年
  監督:[Giovanni Vitrotti?]
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"LE FONTANE DI ROMA"
  製作:イタリア 1907年
【ひとこと】伴奏はAntonio Coppola。Giovanni Lasiの解説、毎度この人のパワー・ポイントは格好良い。1907年前後の各製作会社の比較、作品のジャンルの内訳の変遷、この時代のフランス映画(パテ)とイタリア映画の密接な関係、技術者などの派遣。ラ・スペツィアでの「ローマ号」の進水式に居合わせた複数の映画社、3社(パテ、アンブローズィオ、チネス?)の比較が可能。②泳ぐ馬、消えかかった映像、ショットごとに違う撮影速度。⑥の電気剣は電気ベルトを思わせる。上映後にさらに解説。

12:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と修復~
 ・"DANTE E BEATRICE"
  監督:Mario Caserini
  製作:S. A. Ambrosio イタリア 1913年
  35mm 902m 50分(16fps) 染色 英語インター・タイトル
【ひとこと】Alain Baentsの伴奏。Matteo Pavesi(Cineteca Italiana di Milano)とAlberto Barbera(Museo Nazionale del Cinema di Torino)の解説、Gian Luca Farinelliも同席した。イタリアにおけるシネマテークの現状について話されたが、この場にローマからの人間がいないことが、あるいは現状れなんても考えられるか。今年亡くなったコメンチーニへの言及。ダンテの若い頃。

14:30- Ritrovati & Restaurati ~再発見と修復~
【ひとこと】Alexander Horwath(Österreichisches Filmmuseum)、Kevin Brownlow(Photoplay Productions)が、書籍"Josef Von Sternberg. The Case of Lena Smith"(編集Alexander Horwath/Michael Omasta、2007、FilmmuseumSynemaPublikationen Vol.5)を紹介。中国で見つかったフォン・スタンバーグの『女の一生』("THE CASE OF LENA SMITH"、USA、1929年)の、濃密な5分の断片。

14:45- Omaggio a Michael Curtiz ~マイケル・カーティス特集~
 ・"GOOD TIME CHARLEY"
  監督:Michael Curtiz
  製作:アメリカ 1927年
  35mm 1921m 70分(24fps) 白黒 英語インター・タイトル
  伴奏:Neil Brand
【ひとこと】初カーティス。涙腺が痛むシーンもあり。

16:30- Sacha recita Guitry ~サッシャ・ギトリ特集~
 ・"TITOLI DI TESTA DI LE ROMAN D’UN TRICHEUR"
  製作:フランス 1936年
  監督:Sacha Guitry
  5分 フランス語
 ・"LA MALIBRAN"
  監督:Sacha Guitry
  製作:フランス 1943年 
  35mm 95分 白黒 フランス語版
【ひとこと】Sandra Martiの解説。話されるフランス語はまったくついていけず。的を絞ったライティングが面白い。歌も良いが。

18:00- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"CATENE"
  監督:Raffaello Matarazzo
  製作:イタリア 1949年
  出演:Amedeo Nazzari/Yvonne Sanson
  35mm 85分 イタリア語版
【ひとこと】「スープの前にパンを食うな!」 レストランの網々の影の不吉。イタリア映画に学ぶ。皮肉というか、何というか、予定調和の中の教訓。

22:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と修復~
 ・"DRACULA"
  監督:Terence Fisher
  製作:イギリス 1958年
  出演:Peter Cushing/Christopher Lee
  35mm 82分 カラー 英語版. (Dracula il vampiro, GB/1958)
【ひとこと】こういう編集って消化不良。中途半端なシーンの終わりが、決して恐さに結びついていないんじゃないか。「他にももっと復元する作品はあるだろう」ということは言ってはいけない。
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by kantacantalavita | 2007-07-05 13:54 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 02日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その2)

【初日】の記述を改めました。色映画について、tinted(imbibito/imbibizione)とtoned(virato/viraggio)が判明している場合は、前者を染色、後者を調色と記します。いずれかがわからない場合は単に、「カラー」とし、その他のステンシル、手着色は総じて着色とします。

【2日目】 2007年7月1日(日曜日)

昨晩は見事な満月を楽しみながら帰宅。今朝は自転車で家を出て、間もなくブレーキのワイヤーが切れる。早速遅刻しそうになる2日目のスタート。

9:00- Asta Nielsen: il linguaggio dell’amore ~アスタ・ニールセン特集 愛のことば~
 ・"DEN SORTE DRØM"
  監督:Peter Urban Gad
  製作:デンマーク 1911年 
  35mm 1025m 56分(16fps) 白黒 ドイツ語インター・タイトル
  伴奏:Marco Dalpane
【ひとこと】オリジナルの全長は1381m。1999年に、デュープ・ネガから作られたポジ・プリント。若干客が少ないように感じる。黒い衣服の色が「反転する」ように見える劣化。壁に映る影の具合で、ライティングがずいぶん下からであることがわかる。最初の字幕が出るまで長い(出たところでわからないのだけれど)。ロケ撮影で強風だったりすると喜んでしまう。食事のシーンで、左右のカーテンによって縦長フレームになる。途中でずいぶん大きな糸くずのごみが映り込む。まだ終わってないのに"SLUT"の文字。男の部屋の鏡の存在理由は、画面外と画面内の視線を作るためだ、「電話は鳴るし、シャツは破れる」のだ、何にでも理由はある。

 ・"BALLETTDANSERINDEN"
  監督:August Blom
  製作:デンマーク 1911年
  35mm 766m 37分(16fps) 白黒 デンマーク語インター・タイトル  伴奏:Marco Dalpane
【ひとこと】舞台袖ショット。画面奥に反対側の袖。野外で蚊を叩くのはパントマイムか、非演技か。黒がべたっとした表情のない黒になっている。本当はいろいろ映していたであろうことは何となく想像できる。珍しく年配女性ふたりの解説者。世界の超絶無声映画伴奏家たちと比べると、我らがマルコはミスタッチが多いことが、イヤでもわかってしまう。

10:45- Cento anni fa: i film del 1907 - Pathé 1907 (Parte prima)
 ~100年前特集 1907年の映画 パテ社の1907年 第1部~
  ・"ÉTABLISSEMENTS PATHÉ FRÈRES"
  製作: Pathé フランス 1907年?
  35mm 32m 2分(16fps) カラー
 ・"LES DEUX SOEURS"
  製作: Pathé フランス 1907年
  監督:[Albert Capellani]
  35mm 195m 9分30秒(18fps) 白黒
 ・"LE BAGNE DES GOSSES"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 196m 11分(16fps) カラー
 ・"LE PETIT JULES VERNE"
  製作: Pathé フランス 1907年
  監督: Gaston Velle
  35mm 130m 7分(16fps) カラー
 ・"LES APACHES DU FAR-WEST"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 187m 10分(16fps) カラー
 ・"LES FAUX-MONNAYEURS"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 125m 7分(16fps) 白黒
 ・"LA GRÈVE DES NOURRICES"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 184m 10分(16fps) 白黒
  伴奏:Donald Sosin
【ひとこと】Stéphanie Salmon(Fondation Jérôme Seydoux-Pathé)のフランス語による解説を、イタリア語と英語の同時通訳で聞いてる人の少なさ。アーカイヴを案内してくれたアンナ・フィアッカリーニAnna Fiaccariniも同席するが、パワー・ポイントの操作のみで何も話さず。Pathé Frèresの工場内部の写真。着色作業のものが見れたのは貴重だ。①リュミエールの『工場の入り口』みたいな作品。やや俯瞰ショットだから画面の密度はまったく違うけれども。馬車の荷はフィルムなのかな。 ②窓の外の屋根の上にパテ鶏がいる。パテ作品を見てて楽しいことのひとつは、このパテ鶏を見ることである。病床の母のシーンでは黄色の染色に色ムラが見て取れる。③展開の早い孤児の物語。警察内部のシーンでは、剥がれたような感じで決定的に画が失われている。犬小屋内部のショットは調色に見える。④ジュール・ヴェルヌを読む少年は夢を見る。黄色い部屋がろうそくを消して青に変わり、点けてまた黄色に。異星人の顔は筆で着色したんじゃないか、確証はない。海底のたこ(枕)に襲われるシーンは、大事な部分で画が劣化している。目が覚めて、羽毛枕をぶちまけた時には、思わず声を出してしまう。⑤伴奏がとても良い。白い馬が白く、黒い馬が青いのは青の調色じゃないのか。ちらっと見えたパーフォレーションは一個しかなかった(直後にマスケリーノの調節があって真偽は判らず)。水に飛び込む馬に性格が現れる。⑥パテ鶏があちこちに。銃を撃ちまくる警官と刑事。贋金つくりの装置は書割。⑦乳母の仕事放棄。子供たちは本気で泣いている。牛から直接ホースで乳を飲む3人の子でFin。

12:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と修復特集~
 ・"L'INFERNO"
  製作:イタリア 1911年
  監督:Adolfo Padovan/Francesco Bertolini
  35mm 1200m 65分(16fps) 染色調色 イタリア語インター・タイトル
  伴奏:Antonio Coppola
【ひとこと】Davide Pozzi(L'Immagine Ritrovata)による解説。詳しくはCinegrafieを読めと。今回の映画祭のひとつの目玉とも言え、事実立ち見が出たのは初めてだ。批評家Tatti Sanguinetiまでが立っている(自分で椅子を用意した)。復元は、British Film InstituteとUCLA Flim and Television Archiveからの染色調色ナイトレート・ポジと、Danske Filmmuseum、Bulgarska Nacionalna Filmoteka、American Film Instituteからの白黒ネガを使用して、ボローニャのラボで行なわれた。複数のプリントがあるにもかかわらず、復元は始まったばかりでまだ決定版ではないとのこと。復元プリントを見ていて、ほとんどが染色かと思ったが、一部の海(川?船が出てくる)のシーンで、よく聞くピンクの染色と青の調色の併用を見たつもりでいる。多数の特撮は、『神曲』をイタリア語で呼んでみようかなと思わせるほどに楽しい。ワン・ショット内の色の変化。回想シーン。豹、ライオン、ケルベロス、蛇、ワニ?、などの造形には納得していない、狼だけ犬を使ってお茶を濁そうとしたってそうは行かない。複数の出処の違うプリントを使っているから当然ではあるが、画質の良し悪しにばらつきがある。巨人の大きさを表すために、もちろん単純な合成も使うが、さらに単純なパン・フォーカスの遠近法が使われているのにはニヤリとする。地獄から出るときのラスト・ショットの影絵的逆光的霧的美しさ。

14:30- 雑誌"Cinegrafie"第20号紹介
【ひとこと】Paola Cristalli (Cineteca di Bologna)とMichele Canosa (Università di Bologna)が、「チネグラフィーエ」映画祭特集号の紹介をする。"L'inferno"の後で、カノーザ先生には挨拶した。

14:45- Cento anni fa: i film del 1907 Pathé 1907 - Parte seconda
 ~100年前特集 1907年の映画 パテ社の1907年 第2部~
 ・"FABRIQUE DE CHAPEAUX DE PAILLE À FLORENCE"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 125m 7分(16fps) 白黒
 ・"LE CHAPEAU DE MADAME"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 125m 7分(16fps) カラー(インター・タイトル以外は白黒)
 ・"L'INDUSTRIE DE LA BOUTEILLE"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"PAIN À LA CAMPAGNE"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 160m 9分(16fps) 白黒
 ・"WORK MADE EASY"
  製作:Vitagraph アメリカ 1907年
  35mm 141m 5分(24fps) カラー(一部着色)
 ・"LA LUTTE POUR LA VIE"
  製作: Pathé フランス 1907年
  監督:Lucien Nonguet
  35mm 275m 15分(16fps) カラー
  伴奏:Donald Sosin
【ひとこと】①②は帽子関連で、前者は製造工程を、後者は大きすぎる帽子をネタにした喜劇。②はインター・タイトルだけ真っ青な染色フィルム。傷は目立つが、画自体はとてもきれい。③瓶の製造工程、ガラスを吹くおじさんのほっぺたがすごい。④田舎風パンの作り方を畑を耕すところから描く。ベルトルッチの『1900年』的な機械化が見られる。去年の「ホームムービーの日」で見た長いヌンチャクのような道具でする脱穀(の前段階?)。⑤労働を代わりにしてくれる「手回しのカメラ」みたいな装置。手着色と思しき色(機械の部品の黄、茂みの緑、労働者のオーバーオールと技師のジャケットの青)。コマ撮り、逆回転高速運動などの特殊効果。⑥人生の教訓を得る。火事の「赤いシーン」は特に傷みがひどい。点々の劣化。この伴奏者はピアノ上に設置されたモニターではなく、普段チネテカの専任伴奏者Marco Dalpaneがやってるように直接スクリーンを見ていた。

16:10- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"TRANSES / AL HAL"
  製作:モロッコ 1981年
  監督:Ahmed El Maanouni
  35mm 87分(24fps) カラー オリジナル・アラビア語版英語字幕
【ひとこと】今年のカンヌで、マーティン・スコセッシMartin Scorseseによって発表されたプロジェクト「ワールド・シネマ・ファンデーションWorld Cinema Foundation」最初の復元作品。複数の監督が支持を表明し、アルマーニ、カルティエ、カタール航空などが協賛している。にもかかわらず、である。これだけお金がありそうな人たちが集まって、どれほどの仕事がなされるのだろうか。一作品にどれくらい時間と労力を割くのだ。世界にはまだ無数のフィルムが残っており、その意味で重要なのは、一本一本の作品の復元よりも、今あるフィルムをきちんとした条件で保存できる環境の確保であると言ったのは、パオロ・ケルキ・ウザイだったか。まあ、そうは言っても、それでもやっぱり一本ずつ少しずつ地道にやっていくしか、できることはなのだけれども。復元プリントのはずなのに、冒頭でサウンド・トラックに乱れがあったのは、おそらくチネテカの音響システムの問題じゃないかしら。アラビア語の映画の中に、字幕でGodとかLordとかを見ると違和感を感じるのは変かしらん。監督Ahmed El Maanouni、プロデューサーIzza Genini、カンヌ映画祭代表Thierry Frémauxらの解説は、イタリア語、フランス語、 英語が混じって大変。チネテカのGian Luca Farinelliのフランス語を聞いて、「けっこうわかるな」と思った自分が恥かしい。

18:00- Matarazzo. Romanzi popolari ~ラファエッロ・マタラッツォ特集~
 ・"IL BIRICHINO DI PAPÀ"
  製作:Lux Film イタリア 1943年
  監督: Raffaello Matarazzo
  35mm 81分(24fps) 白黒 オリジナル・イタリア語版英語字幕
【ひとこと】登場人物が恐ろしく喋りまくという意味で、50年代のメキシコ時代のブニュエルを想うが、イタリア語なので大いに楽しんだ。もちろんそこにはきっと、Zavattiniの功績があるんだと言うのは、間違いなく間違っている。Nino Rotaの音楽。ワイプがたくさん使われるが、中でも左から右に動く車に合わせたワイプには驚く。寄宿学校で自由を叫び、お仕置き部屋(cella di rigore)に閉じ込められる、1943年の映画である。16mmカメラが映る(がこれも問題を引き起こす一因となる)。イタリアの売れっ子に数えられるステファーノ・アッコルシに雰囲気が似た新婦Franco Scandurra。口が達者で気が強い新婦の妹イレーネIrene(平和の意)、あれやこれやと振り回されるもちょっととぼけた召使ジュスティーナGiustina(ちょっとした正義の意)。駄目弁護士が現れてからの加速度に、心地良い酔いを覚える。姉妹がやってきた夜のやり取り、カロリーナという名の机、"sotto la protezione nel mio letto(私のベッドの中で奥さんは保護されております)"。きのこリゾットで盛り上がる最後の弁護士邸なんか最高である。50年代の"neorealismo popolare"への系譜。最後に叔母さんが自ら「私、未婚signorinaなの」と言ったが、冒頭で庭師がその伏線を張っていたのを今思い出す。

22:00- Ritrovati & Restaurati ~再発見と復元特集~
 ・"BLIND HUSBANDS"
  邦題:『アルプス颪』
  監督:Erich von Stroheim
  製作:Universal Film Mfg アメリカ 1919年
  35mm 2045m 90分(20fps) 染色 
  ドイツ語インター・タイトル版英語イタリア語字幕
  伴奏:Neil Brand
【ひとこと】完全版として唯一見ることのできるシュトロハイムのデビュー作、として知られていたが、今回のヴァージョン(ドイツ語インター・タイトル、オーストリア版)は、長らくMoMAに保存されていた白黒版(これを今までは完全版としてきた)より長く、さらに染色版である。昔見たのは、白黒の16mmだったはずで、MoMA版に欠けていたという箇所はもちろんわからず。「知りたければDVDを買って」、という解説。山登りのシーンには普通に拍手。鏡の前の女、フォーカス送りで奥に寝る夫、ディゾルヴで別の新婚夫婦の幸福、そして順を逆にたどって元のショットに戻る場面には諸手を揚げて拍手、合成に見えないよ。黒背景の女と、女の夢の中の首と手だけシュトロハイム。字幕が飛び跳ねたり、デジタルでしか取り除けない傷は残してあると言うAlexander Horwath (Österreichisches Filmmuseum)の解説、なぜならそれが、公開当時見ていたものにより近いからとか。シュトロハイム、すごく良い。
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by kantacantalavita | 2007-07-02 04:26 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 07月 01日

Il cinema ritrovato 2007(ボローニャ復元映画祭点描その1)

【初日】 2007年6月30日 土曜日 

さて。午前11時にチケットを買いに、チネテカに行く。学生用のパス(20ユーロ)を買ったその足で、レンツォ・レンツィ図書館で開催されている書籍とDVDとポスターの販売コーナーに向かう。ジャン・デズメ関連本(Ivo Blom, Jean Desmet and the Early Dutch Film Trade, Amsterdam University Press, Amsterdam, 2003)と映画祭で特集される未見のイタリア人映画監督ラッファエッロ・マタラッツォ関連本(Angela Prudenzi, Raffaello Matarazzo, La Nuova Italia Editrice, Firenze, 1990)を早速購入。映写技術に関する図鑑みたいな大型本があるが、恐らくこれも期間内に入手するだろう。DVDも数点、目をつける。

最初の上映が14時45分からなので、映画祭とは関係ないが、国立家庭映画アーカイヴ(Archivio nazionale del film di famiglia)の見学に行く。こちらの報告は場を改めてすることにするが、興奮した。

14:45- Ritrovati & Restaurati ~再発見と修復の特集~
 ・"MACISTE IMPERATORE"
  監督: Guido Brignone
  出演:Bartolomeo Pagano
  製作:イタリア 1924年 
  35mm 1650m 80分(18fps) 染色 インタータイトル:イタリア語
  伴奏:Antonio Coppola(ピアノ)
【ひとこと】 アルベルト・バルベーラAlberto Barbera (Museo Nazionale del Cinema) とダヴィデ・ポッツィDavide Pozzi(L'Immagine Ritrovata)による解説。作品の「政治性」。"Maciste"、"Maciste innamorato"に続くマチステものの復元第3弾。オランダで2年前に見つかったナイトレートのプリントから。オランダ語だったので、国立博物館所蔵の資料からイタリア語のインタータイトルを再構築。欠損部分には、10コマの黒画面が挿入されている。カビリアから10年が過ぎるも、パガーノの力技は健在。「マチステは人間を軽々と持ち上げ、放り投げさえする」という定型文的な演出ができあがっている。マスケリーノを用いた縦長/横長のフレーム。劇場で女の踊り?を王子が見るシーン、幾何学模様のセット、ワン・ショット内で変わるフィルムの色、劣化による画の消失などで、独特の雰囲気がある。モーター・ボートを鎖一本で停めるマチステの筋肉。本当は禿げてるバルトロメオ・パガーノは劇中カツラをかぶり、マチステの役を演じる時にはハゲヅラをかぶる面白さ。映画内映画的なカツラ内カツラ。終幕直前に「いったいお前は誰なんだ?」と聞かれ、「マチステ」と答えるかと思ったら、「真の王の忠実なるしもべ」と答えたのには幾分残念。隣の上映室では、ロッセッリーニ関連のオープニング・イベント。大好きなマチステだから、書くことは多いが、それ以外もガス欠を恐れず書けるうちに書こうという決意。

16:15- Cento anni fa: i film del 1907 ~100年前 1907年の映画~
第1部 1907年6月30日から7月7日の間にボローニャで上映された作品特集 
 ・"I MOMENTI NERI DELLA SIGNORA"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 73m 5分(16fps) 白黒  
 ・"IL VARO DELLA CORAZZATA "ROMA" (ALLA SPEZIA)"
  製作: (Cines) イタリア 1907年
  監督:(Filoteo Alberini) (Italia/1907)
  35mm 100m 5分30秒(16fps) 白黒
 ・"GENOVIEFFA DI BRAGANZA"
  製作: Pathé フランス 1907年
  35mm 192m 10分30秒(16fps) カラー
 ・"LA CINTURA ELETTRICA"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 142m 8分(16fps) 白黒
 ・"LO SCARABEO D'ORO"
  製作:Pathé フランス 1907年
  監督:Segundo de Chomón
  35mm 48m 3分(16fps) カラー
【ひとこと】現在のボローニャの映画館情報を発信しようとする者にとって、100年前の映画館情報が面白くないわけがない。チネテカの図書館で働いているLuigi Virgolinの発表。 頂いた資料の精読が楽しみ。①暴れまくる女性。②潜水艦の進水式は、イタリア映画の父のひとり、フィロテオ・アルベリーニによるもの(らしい)。③赤、黄、セピアなどの着色フィルムか。鹿の乳で子供が育ち、悪者は処刑される。女の唐突な死には失笑も。墓と鹿。ふたつの言語によるインタータイトル(フランス語と?)。④電撃ベルトによる精力回復。特殊撮影に見えるほどに出演者たちの動きにはキレがある。フライング・ボディプレスのおばさん。⑤セグンド・ドゥ・ショモン監督作品。水から花火への変化と激化に目が眩む。手仕事とおぼしき着色フィルム。どこかで見たか、あるいは授業での言及があったか、「コガネムシ」というモチーフは知っている。

第2部 ちょっとあまりにも刺激的過ぎる特集
 ・"LE COUCHER DES MARIÉS"
  製作:Pathé フランス 1907年
  35mm 80m 4分(16fps) カラー
 ・"BADEN VERBOTEN"
  製作:Saturn-Film オーストリア 1907年
  35mm 25m 1分(16fps) 白黒
 ・"SKLAVENMARKT"
  製作:Saturn-Film オーストリア 1907年
  35mm 50m 3分(16fps) カラー
 ・"IM MALATELIER"
  製作:Saturn-Film オーストリア 1907年
  35mm 50m 3分(16fps) 白黒
 ・"EINE MODERNE EHE"
  製作:Saturn-Film オーストリア 1907年
  35mm 107m 6分(16fps) カラー
 ・"DAS EITLE STUBENMÄDCHEN"
  製作:Saturn-Film オーストリア 1907年
  35mm 62m 3分30秒(16fps) 白黒
 ・"EINE SCHWIERIGE BEHANDLUNG"
  製作:オーストリア? 1907年?
  35mm 20m 1分(16fps) 白黒
 ・"BEIM FOTOGRAFEN"
  製作:Saturn-Film オーストリア 1907年
  35mm 50m 3分(16fps) 白黒
  伴奏:1部2部ともにDonald Sosin(ピアノ)
【ひとこと】この特集は、基本、すべて「エロ」である。Nikolaus Wostry (Filmarchiv Austria)が解説。①以外はすべてオーストリアの作品で、すべてにヌードが含まれる。②は昨年のこの映画祭でも、同ポルデノーネでも見ている。特集の意図(1907年)に反してないか。⑤は傷みがひどく、白黒なのにフレーム外に青色が見え、しかもフォトグラムの上下が重なっているという奇妙な体験。本編の後の黒画面にも何か(食事シーン?)が映っている。圧巻の⑦は分娩ベッド?の上の女性をいじくりまわす、それだけの作品。総じて、登場人物には見えないのに、観客には丸見えという「エロ」の本質。カラッチの「ヴィーナスとサテュロス」の背中を思う。同時代のパテとサトゥーン・フィルム、フランスとオーストリアの比較。以降、モノトーンでも着色等の色が見られれば、カラー・フィルムとみなす。カタログでは色がついていてもBn(bianco e nero、白黒)と記される場合があるので、メモをきっちり取るようにする。1部2部ともに、特集の企画者Mariann Lewinskyが解説。

18:00- Matarazzo. Romanzi popolari ~マタラッツォ特集~
 ・"TRENO POPOLARE"
  監督: Raffaello Matarazzo
  イタリア 1933年 白黒 35mm 62分
【ひとこと】エロに夢中(もちろん冗談)になって、本特集の企画者であり、批評家でもあるTatti Sanguinetiの解説を聞き逃す。上映室に入った瞬間に上映開始。ニーノ・ロータNino Rotaの映画デビュー作。オルヴィエートに到着するまでの序盤はまさに彼の独壇場で、列車の映像と音楽のシンクロに喜ぶ。以前友人が記していたが、列車というのはシチュエーション・コメディのために存在するようなもので、人間関係とその描写という無数の挿話がそれを物語る。列車が動き出すまでの台詞無しのシークエンスは、かなり満足。全編通して、細かいギャグには事欠かない。オルヴィエートの楽団の指揮者(指揮中に一瞬振り返る)は監督自身。

22:30- Festa di benvenuto! ~歓迎イベント!~
【ひとこと】スコピトーンScopitoneという、フィルム映像も見れるジューク・ボックス。59年にイタリアで発表されたとか。今回の上映では、フィルムは当時の16mmをそのまま使っているので、褪色や引っ掻き傷が多いけれども、「それがこのフィルムの生涯なんだ」とベルンのシネマテーク(Kinemathek Bern)からの企画者は言っていた。MTVで現在見れる映像なんかに比べれば、ロケ撮影、手持ちカメラなど、えらく素朴である。ベルン・シネマテークは、機材の収集で知られているとのことで、スコピトーンの上映以外にも、紙プログラムには明記されていない「カーボン・アーク」の光源による映写機で1907年のフィルムを映写。現在の光源と比較すると「やや黄色く、画に深みがある」らしい。35mmに関しては同じフィルムを二度上映したので、2回めは映写機の側で見て、むしろ映写機を眺め続け得がたい映画経験をする。噂には聞いていた、炭素棒の調整をし続けねばならない映写を間近に見ることができて喜んでいる。
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by kantacantalavita | 2007-07-01 03:43 | 映画経験(filmについて) | Comments(0)
2007年 06月 30日

Cinema Ritrovato(チネマ・リトロヴァート、ふたたび見出された映画)

明日から、Cinema Ritrovatoが始まります。街中にも心なしか観光客っぽくない人がちらほら。世界中から映画愛好家が集まるんです。

今日、改めてプログラムを見直して、一言、「無理だ」。どうしても見れない作品が山ほどありすぎて、結局、去年と同様、「なんでもいいや」なんて言ってしまいそうです。明日のオープニング上映は、イタリア留学の発見のひとつ、マチステ物です。

ああ、その前にやらなきゃいけないことが、あれやこれやとまだ残ってる。

頑張って楽しみます。
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by kantacantalavita | 2007-06-30 06:20 | 親愛なる日記 | Comments(0)