2005年 07月 23日
図らずも、一昨日、昨日と二日続けてのイタリア総領事館訪問となりました。 初日は知人に頼んでいた公文書のイタリア語翻訳の宣誓供述のため、二日目は初日に予定していた写真証明のため。 そうなんです。写真証明のために必要なものは、戸籍抄本とパスポートサイズの写真だけと聞いていたのに、訪れたその場で「パスポートがないとできないんですよ。」。そりゃないですよ。まあ、その場で僕が何を言っても、遠吠え的に相手にされないので、黙って翌日に持ってくることを伝えました。そして昨日。前日あれほど並んでいた来訪者の姿はなく、静まりかえってます。いやな予感です。中に入ると、一人だけ申請用紙の記入をしている女性がいます。窓口に係員の姿は見えません。備え付けの電話で係員を呼びます。 「あのぉ、写真証明をお願いしたいのですが。」 「写真証明の受付は12時30分までです。」 「え?13時までと電話でうかがっておりますが。」 「いいえ、12時半までです。」 時計を見ていなかった僕は、完全に拒絶されていると感じ、 「今日はもう受け付けていただけないのでしょうか。」 「・・・・・・」 奇妙な沈黙。 「申請用紙の記入はしましたか?」(相当いらだちながら、その上で嫌々ながら。) 「いえ、まだです。」 「そしたら、記入できたらもう一度Aに電話してください。」 電話が切れて、時間を確認すると、12時20分。12時20分。手続き申請は12時30分まで。図らずも時間ギリギリに間に合っていたようです。なのにこの対応。おそらくあの沈黙は、「12時半まで」と言っておきながら実際にはそれより早い時間で、意に反して「まだ大丈夫ですよ。」とほのめかしてしまった自分に対する憤りの時間であったのではないでしょうか。彼女はおそらく、「12時半まで。」ということによって僕の申請を拒否するつもりだったのでしょうが、自ら受け付け可能であることを明らかにしてしまったわけです。 その後の応対、やりとりは熾烈を極めました。 申請手続き中に彼女のガラス越しの言葉がよく聞き取れなかったので聞き返しても、まったく答えてくれません。返信用にこちらで用意したEXPACKはその使用を認められず書留用の封筒を新たに用意させられる始末。前日の宣誓供述のときは、その種の封筒があることを説明したら受け付けてくれたので用意したのに。明らかに係員の無知不勉強が見て取れたにもかかわらず、階下の文具店と郵便局で封筒と書留を用意します。ここで噛み付くと事態はさらに悪い方向へ進むのは火を見るより明らかなので、ここは歯を食いしばって甘んじます。僕は打たれ強いのです。 一通りの手続きを終えて、領事館を後にしたときの晴れやかな気持ちといったらありません。何はともあれ、受け付けてもらえたことに感謝しなければなりません。 昨日の問題点を挙げておきます。 ・問い合わせた電話では、必要な書類はパスポートサイズの写真1枚と戸籍抄本の原本一枚。 → にもかかわらずじつはパスポートも必要だった。 ・電話口で、受付時間は11時から13時といってたのに、実際には9時半から12時半だった。 → 前日10時半ころに写真証明と頼んだら受け付けてもらえなかった。 ・EXPACKは万能と思い込んでいた。 → 書留といわれたら書留を用意すること。 ・時間には余裕を持って行動すること。 → 自分の知らないところでも物事は動いている。 31階にある総領事館から地上に戻るエレベーターで、一人の中年会社員が同僚に向かって言い放ちました。 「自分の会社の常識は他人の会社の非常識。その逆も可なり。」 含蓄に富んだ言葉です。世界中の人々がそう考えることができれば、これすなわち世界平和の実現です。日本の常識はイタリアの非常識。肝に銘じておきましょう。
by kantacantalavita
| 2005-07-23 00:58
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イタリアのお宝発掘集団『大阪ドーナッツクラブ』。人呼んでODC。シネマテークについてのコラムを担当してました。 大阪ドーナッツクラブ公式ブログ(代表によるブログ) 『Kanta Canta La Vita』が所属する上記「大阪ドーナッツクラブ」の代表で、FM802DJポンデ雅夫のブログ。 かのうとおっさんの「ああ密談」 大阪ドーナッツクラブメンバー有北クルーラーのもうひとつの顔。 映画保存協会 日本の映画保存のある部分は、この協会が支えています。 アトリエ・マニューク 映画と映画保存とその周辺(例えばビールとか俳句とか)について書くならば僕はこうしたい、それがこのHPにあります。 赤海老ログ 本職は歌手なのに、僕にとっての彼ら二人はワインの先生です。Colli Bolognesiを共有(共憂)をしてます。 C'è profumo 日本人音楽家の多いボローニャにあって、飲み会でしか会ったことがない友人yukaちゃんのHP。ピアニスト。 ホームムービーの日 NEWS 今こそ8mm。景色を映しただけで映画になる国、イタリアに8mmカメラを持って行きます。 The Internet Movie Database 誰が呼んだかIMDb、えらく重宝します。フォーマット検索とかは最近かなり気に入ってます。 all cinema ONLINE 映画検索に重宝してます。日本語表記はあてにならない場合もあるので注意が必要です。 チネテカ・ボローニャ Cineteca Bologna。ボローニャのシネマテークです。当ブログのカテゴリー『Cineteca Bologna』はこのシネマテークの当日の上映プログラム(概ね日本語)です。 ボローニャの映画館情報(2torri.itより) チネテカ以外の映画館情報。ボローニャにはこんなにたくさん映画館があるんです。 ボローニャの図書館検索 ボローニャには相当数の図書館がありますので、映画という19世紀以降の芸術を研究する僕のような学生が探す本は大抵見つかるはずです。 イタリア国立映画博物館 Museo nazionale del cinema。トリノ。2006年8月に聖地巡礼的に訪れた際には、その建物(モーレ・アントネッリアーナ)の頂上でエレベーターが作動しなくなり、急遽ヘルメットをかぶって徒歩で地上に降りるという映画的に稀有な体験をしました。 チネテカ・イタリアーナ Cineteca italiana。ミラノのシネマテーク。「見せるための保存」を目指しているとのことで、近年新しい上映室が増設されたようです。その名に「イタリア」を冠していることからもわかるようにその歴史はボローニャのそれよりずっと古い。 チネテカ・デル・フリウリ Cineteca del Friuli。北イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ウーディネ県ジェモナにあるシネマテーク。このブログでも報告したポルデノーネ無声映画祭はこのシネマテークが中心になっています。イタリア国内に5つあるFIAF加盟団体の中では最もマイナーなイメージがあるが、実は違いそう。行ってみたい施設のひとつ。 チネテカ・ナツィオナーレ Cineteca nazionale。ローマにある映画実験センター。国立の映画学校で、そのシネマテークはローマのど真ん中トレヴィの泉近くにあるとか。ミラノ、ボローニャ、ローマ間では上映用のフィルムのやり取りが多いように感じてます。 東京国立近代美術館フィルムセンター 日本におけるシネマテークとは何か?考えてみます。常設展や特別展は、何時間でも過ごせます。 シネマテーク・フランセーズ Cinémathèque française。説明無用(?)、世界中のシネフィルの聖地シネマテーク・フランセーズ。2005年、多くの映画人が通ったシャイヨー宮からベルシーに移転し新しい建物になりました。写真を見た限りですが、ものっすごくきれいみたいです。住みたい。 ドイツ映画博物館 DEUTSCHES FILMMUSEUM。フランクフルトにある映画の博物館(そのまま)。ドイツ語も勉強しますか。ドイツと言えばムルナウ財団は、ボローニャのシネマテークの上映でもしばしばその名前を目にします。 オランダ映画博物館 FILMMUSEUM。アムステルダムにある映画博物館。上記ドイツ映画博物館と一緒に訪ねてみようかと計画中。学生でも6.50ユーロ、会員でも4.50ユーロとはちと高いか。(英語あり) Antonio Pignottiコレクション 2006年の「ホームムービーの日(in Italia)」で映写機などの展示をしていたコレクターの方です。いつの間にかリンクしてくれていたので、晴れて初めてイタリアのHPと相互リンクになりました。(イタリア語) Planet World 大阪梅田のシネマテーク。大阪にプラネットありと謳われた「生きた」伝説。 Planetary Film Archives 上記プラネットのフィルムアーカイブです。資料整理のお手伝いをしました。 internet bookshop ITALIA イタリアの本が買えます。バカンスシーズンやその前後を除けばかなり信頼度は高いです。送料も高いですけど。 日本の古本屋 現実世界での古本屋めぐりも好きですが、電脳世界のほうが欲しい本がみつかったりします。 comfm.com イタリアのラジオがネットで聞けます。生のイタリア語を欲してる方にはお薦めです。 RADIO MARGHERITA イタリアのポップミュージックを新旧問わずに流しまくる秀逸なHP。ホームの下のところにある「Ascolta Radio Margherita (マイクの絵)」をクリックすると、Windows Media Playerで聴くことができます。 NHKラジオイタリア語版 その日のニュース約5分と曜日ごとに決められたテーマ約10分をイタリア語で聞くことができます。他の言語もあり。イタリアのラジオに比べ、音声が安定しているように思えます。 Consorzio Vini Colli Bolognesi ワインは全く無知に等しいですが、なぜかしら「おらが村主義」は大切にしていたいのです。日本で一番「ボローニャの丘」について詳しい人になりたいです。「ボローニャの丘」ワイン協会のHP(伊語or英語)。 大相撲 がんばれ力士。 インターネットでモンドリアン こういうのも好きです。 氷温熟成 Bravo! KANTA このビールを評したずっと年下の女の子曰く、「苦味の奥に甘さがある」。ううむ。僕のことを言ってるのでしょうか。 Google日本 何かと便利。 Wikipedia Japan 何かと便利。 以前の記事
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