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KANTA CANTA LA VITA

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2006年 04月 03日

大家から出された「妥協案」について エピローグ

初めて7回に渡る連載のようなものをやってみました。あまりに衝撃的な、そして笑劇的な日々だったので、その都度こちらの友人に話してはいたのですが、それでは足りないくらいに楽し過ぎたので、ちょっと長くなるけれども、僕の愚かなる妹ならもう少しうまく書けるのだろうけども、報告という形で書けたらよいかと思って連載にしてみたのです。

ピザを食っておきながらその場で彼女の提案を断る僕もずいぶん大人になったな、図太くなったなと思いますが、彼女には叶いません。僕がいずれにせよこの家は出ると言った瞬間から、寂しい素振りを見せることもなく、真意は知らん、少なくとも僕にはそんなものは見せることなく、次の住人のみならず、約束したはずの壁塗りバイトまで探し始めているのです。しかも、買収は出来る限り安く済ませようとするその根性。壁塗りバイトは別として、ピザなんか5ユーロ弱ですからね。友人の宿泊料なんか取るほうがおかしいんですよ。それを「あなたは特別。」と思わせるその手腕。300ユーロで家を見つけているのに、20ユーロ値下げして370ユーロで住ませようとするその感覚。壁塗りバイトだって、実際に業者に頼んだら100ユーロ以上するのかも知れません。ちょっとでも安くなればしめたものというその思考。すごく現実的で、実際的で、「たくましさたるものかくあるべし」を体現している人のように思えます。

でも、それも当然ですよね。なんせ彼女は、彼女らの世代は、僕が日本で観た所謂「ネオレアリズモ映画」の主人公たちだったたくましき少年少女の、50年経った姿なのですから。それを見てイタリアについて勉強しようなんぞと考えた外国人の僕とは較べるべくもない訳です。頭が下がります。

と、ここまで書いたところで、ひとつお断り。この物語はフィクション(事実を基にした物語)であり、実際の人物・団体とは一切関係ありません。すごくリアルな喩え話、ある間借人とその大家というよくある関係の縮図のひとつの例、それくらいに受け取ってください。そもそもここで書いたように饒舌には僕はイタリア語を話せません。へえ、イタリアってそういうこともあるんだあ、ってくらいが一番良いですねえ。これとは全く違うイタリアだってあるし、彼女とは違って本当に根の腐った悪徳大家だっているんです。

でもそう言ったところで実は、これからの2週間ちょっとがすごおおおく不安です。このまま何も起こらずに済むとも思えないのが実情です。
(4月2日)

by kantacantalavita | 2006-04-03 19:15 | 親愛なる日記


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