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KANTA CANTA LA VITA

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2006年 11月 20日

オイ待て、一年前は全てが美しかったろう。

先日ここで僕が、『イタリアの光』という、イタリアの秋のあまりに澄んだ空気とあまりに高い空について記事を書いて以来、ボローニャはすっかり曇り空すごい湿気です、書くんじゃなかったと少しだけ思っています『KANTA CANTA LA VITA』です。

まあ、そういうものです、何かしら色んなものがすっきりくっきり見えるので「よし、明日はフィルムカメラを持ってうろつくことにしよう。」なんて意気込んで早起きしたらものすごい霧だったり、「霧が晴れればそこには素敵なものが待っている。」なんて期待したら土砂降りの雨だったり、カメラを持たずに出かける時に限って恐ろしく感動的な光景を目にしたり。基本的に我がvitaはうまいこと行かないようにできてます。

でも思えば昨年僕がイタリアに着いた日は、すでに先に到着していた友人によれば久しぶりの快晴とかで、「おお、これはずいぶん幸先良いじゃないか。」などと口にしたものですが、実際ボローニャで暮らし始めた極めて最初の頃は、雨が降ったり霧が出たり、果ては雪まで降ったりと、確かに天気は悪かったような気がします。それでもその天気の不安定さ、良くないところで安定しているこの季節の気候をも楽しんでいました。

で、結局のところ、晴れだから素晴らしいとか、雨だから素敵とか、霧は美しいとか、あるいはその真逆を言ったり、ではなく、僕の好むと好まざるとに関わらず、全ての瞬間は本来美しいということです。ひげも凍るような寒さの中をあてもなく歩き回っていた日々を思い出します。晴れだから雨だからに関係なく、いろんなことにドキドキしてました。いつまでも切れない雲やら、街燈でオレンジ色に染まる夜霧やら、積もった雪と青空のコントラストとか。この国に暮らすことに対する「慣れ」があの朝の透き通る空気だけをやたらと美しく感じさせたのでしょう。「基本的に我がvitaはうまいこと行かない」などと冒頭で書きましたが、そんなことありません、けっこううまいこと行ってます。いや、慎ましく素朴にいればずいぶんうまいこと行ってます。何事もなく外国でここまで生きてきたんですから。

今日でイタリアに来て丸一年です。今日は雨こそ降ってませんが重い空、湿った空気は相変わらずで、しかも風まで吹いてます。近所の並木道は落ち葉でいっぱいです。先日から同居人のイタリア人は、おかしな天気が続くなあ、なんて言ってますが、おそらくこれがボローニャの11月なのではないでしょうか。とすれば寒さのピークは来月以降、12月1月と記憶してます。

by kantacantalavita | 2006-11-20 22:32 | 親愛なる日記


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