2007年 01月 18日
今日からボローニャではフューチャー・フィルム・フェスティヴァル(誰が言ったかFFF)というアニメーションの映画祭が始まりました。 映画祭というと少し語弊があって、テレビ用の30分番組なども映画館で上映します。ベータだったり、DVDだったり、フィルムだったり、なかなか映像の観点からも興味深いイヴェントです。去年は、チェコのイジー・トルンカ特集に参加した記憶があります。プログラムが発表される前から今年は楽しみにしていて、友人が企画を担当しているということもあって、今年は昨年よりはしっかり参加しようと思いフリー・パスも購入しました。ちょっと面倒な手続きをすれば10ユーロで5日の期間中の全作品が観れます。これはずいぶんお得です。 今年の注目は50年代のイタリア・アニメーションの一端を担ったガンマ・フィルムGamma Filmという集団の特集でしたが、すべてDVD上映なのでやや気分が盛り下がり、その代わり先の友人の企画「中国アニメーション特集」を個人的な目玉にしました。日本のアニメーションの父とも言われる政岡憲三の「くもとちゅうりっぷ(1943)」よりさかのぼる1941年の『鐵扇公主』に始め、50年代の上海美術電影(国立のアニメーション製作会社?)、80年代の作品などが取り上げられます。日本でもかつて上映されたものもありますし、『鐵扇公主』などはほとんど伝説らしい(こういう物言いが所謂「伝説」を作っちゃうんですね)ですし、市販のDVDで観れるものもありますが、幾つかはヨーロッパ初上映ということもあって、全て未見なので楽しみです。 やたら読みにくい映画祭ホーム・ページに代わってここでイベントの詳細を記すほどのボランティア精神は備えておりませんので、日本に関係するプログラムだけを少しここで挙げてみます。 注目は昨年のベネチアにも出品された『パプリカ』を制作したマッドハウス、ここにはFFFは数年前からずいぶん注目しているらしく、今年もずいぶんたくさんの関係者が来場します。丸山正雄、齋藤優一郎、湯浅正明、細田守(全て敬称略)とテレビアニメ版『NANA』のチーフ・エディターKoseki Junko(同、漢字もわからず)を囲む座談会もあるようです。プログラムではそのテレビアニメ版『NANA』の最初の4回分を上映する"NANA-Day"なんてのもありますし、細田守監督の『時をかける少女』の上映と座談会、神志那弘志監督テレビアニメ『牙』の3話分、湯浅政明監督同『ケモノヅメ』の3話分といった具合です。 もちろん他にもあって、もうわけがわからなくなりつつあるので以下列挙。 『銀色の髪のアギト』 『練馬大根ブラザーズ』 (1~3話) タツノコプロ40周年記念アニメーション作品『鴉-KARAS-』 (第1話) 矢沢あい原作テレビアニメ『パラダイス・キス』 (1~3話) 劇場版『ブラック・ジャック/ふたりの黒い医者』 劇場版『鋼の錬金術師/シャンバラを行く者』 『アタゴオルは猫の森』 『あらしのよるに』 あと、ハローキティをストップモーション(一コマずつ撮って動いてるように見せる技術)で撮った新シリーズもやるみたいです。カタログでは『ウォレス&グルミット』を引き合いに出して、「非常に難しい技術だ」と紹介してます。 さらに、「ビジネス・ブレックファスト」という企画がありまして、東映アニメーションが近年の作品を紹介するようです。参加者には朝食が振舞われるとの事。いやいや、朝食が出るからって言って、映写がないなら誰も行かないだろ、そう思うでしょ。ところが、イタリアらしい事情があります。イタリアで一部で伝説となったテレビアニメ『北斗の拳』、ある友人が「私のハーロック」と呼ぶ『宇宙海賊・キャプテンハーロック』、平日の昼過ぎに同居のマウロもイレーネも食いついて観ている『ドラゴンボールZ』、最近はあまり話題にならないながら一時期フィギュアをよく見かけた『聖闘士星矢』、僕でさえ存在くらいは知ってる『ワンピース』、これらに共通するのはなんでしょう?ええ、そうなんです。全て東映アニメーションの作品です。つまり、イタリアで放映されて人気を博したアニメの多くはこの東映アニメーションに関係しているんですね。一体どういう経緯があるんでしょうか、気になりますが、日本のアニメで儲けようと考えている人がこの朝食会に集うのではないでしょうか。 ふう~。 正確を期しておりますが、如何せんアニメーションは無知なもので、間違いがあるかも知れません。その際はこっそりお知らせいただけたら幸いです。 ・・・唯一実写の映画は大林宣彦監督の『時をかける少女』。観たい・・・ですが、これを書くのに疲れました。・・・参加した分は報告します。ので・・・、もう・・・、むりです・・・。 ・・・?ん、ちょっと待ってください。 ・・・おかしいでしょ?おかしいですよ。 ・・・どういうことですか?いやいやそりゃないですよ、FFF。 明日からも『KENTA CANTA LA VITA』、がんばります!
by kantacantalavita
| 2007-01-18 11:11
| 映画とは何か(cinemaについて)
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大阪ドーナッツクラブ
イタリアのお宝発掘集団『大阪ドーナッツクラブ』。人呼んでODC。シネマテークについてのコラムを担当してました。 大阪ドーナッツクラブ公式ブログ(代表によるブログ) 『Kanta Canta La Vita』が所属する上記「大阪ドーナッツクラブ」の代表で、FM802DJポンデ雅夫のブログ。 かのうとおっさんの「ああ密談」 大阪ドーナッツクラブメンバー有北クルーラーのもうひとつの顔。 映画保存協会 日本の映画保存のある部分は、この協会が支えています。 アトリエ・マニューク 映画と映画保存とその周辺(例えばビールとか俳句とか)について書くならば僕はこうしたい、それがこのHPにあります。 赤海老ログ 本職は歌手なのに、僕にとっての彼ら二人はワインの先生です。Colli Bolognesiを共有(共憂)をしてます。 C'è profumo 日本人音楽家の多いボローニャにあって、飲み会でしか会ったことがない友人yukaちゃんのHP。ピアニスト。 ホームムービーの日 NEWS 今こそ8mm。景色を映しただけで映画になる国、イタリアに8mmカメラを持って行きます。 The Internet Movie Database 誰が呼んだかIMDb、えらく重宝します。フォーマット検索とかは最近かなり気に入ってます。 all cinema ONLINE 映画検索に重宝してます。日本語表記はあてにならない場合もあるので注意が必要です。 チネテカ・ボローニャ Cineteca Bologna。ボローニャのシネマテークです。当ブログのカテゴリー『Cineteca Bologna』はこのシネマテークの当日の上映プログラム(概ね日本語)です。 ボローニャの映画館情報(2torri.itより) チネテカ以外の映画館情報。ボローニャにはこんなにたくさん映画館があるんです。 ボローニャの図書館検索 ボローニャには相当数の図書館がありますので、映画という19世紀以降の芸術を研究する僕のような学生が探す本は大抵見つかるはずです。 イタリア国立映画博物館 Museo nazionale del cinema。トリノ。2006年8月に聖地巡礼的に訪れた際には、その建物(モーレ・アントネッリアーナ)の頂上でエレベーターが作動しなくなり、急遽ヘルメットをかぶって徒歩で地上に降りるという映画的に稀有な体験をしました。 チネテカ・イタリアーナ Cineteca italiana。ミラノのシネマテーク。「見せるための保存」を目指しているとのことで、近年新しい上映室が増設されたようです。その名に「イタリア」を冠していることからもわかるようにその歴史はボローニャのそれよりずっと古い。 チネテカ・デル・フリウリ Cineteca del Friuli。北イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ウーディネ県ジェモナにあるシネマテーク。このブログでも報告したポルデノーネ無声映画祭はこのシネマテークが中心になっています。イタリア国内に5つあるFIAF加盟団体の中では最もマイナーなイメージがあるが、実は違いそう。行ってみたい施設のひとつ。 チネテカ・ナツィオナーレ Cineteca nazionale。ローマにある映画実験センター。国立の映画学校で、そのシネマテークはローマのど真ん中トレヴィの泉近くにあるとか。ミラノ、ボローニャ、ローマ間では上映用のフィルムのやり取りが多いように感じてます。 東京国立近代美術館フィルムセンター 日本におけるシネマテークとは何か?考えてみます。常設展や特別展は、何時間でも過ごせます。 シネマテーク・フランセーズ Cinémathèque française。説明無用(?)、世界中のシネフィルの聖地シネマテーク・フランセーズ。2005年、多くの映画人が通ったシャイヨー宮からベルシーに移転し新しい建物になりました。写真を見た限りですが、ものっすごくきれいみたいです。住みたい。 ドイツ映画博物館 DEUTSCHES FILMMUSEUM。フランクフルトにある映画の博物館(そのまま)。ドイツ語も勉強しますか。ドイツと言えばムルナウ財団は、ボローニャのシネマテークの上映でもしばしばその名前を目にします。 オランダ映画博物館 FILMMUSEUM。アムステルダムにある映画博物館。上記ドイツ映画博物館と一緒に訪ねてみようかと計画中。学生でも6.50ユーロ、会員でも4.50ユーロとはちと高いか。(英語あり) Antonio Pignottiコレクション 2006年の「ホームムービーの日(in Italia)」で映写機などの展示をしていたコレクターの方です。いつの間にかリンクしてくれていたので、晴れて初めてイタリアのHPと相互リンクになりました。(イタリア語) Planet World 大阪梅田のシネマテーク。大阪にプラネットありと謳われた「生きた」伝説。 Planetary Film Archives 上記プラネットのフィルムアーカイブです。資料整理のお手伝いをしました。 internet bookshop ITALIA イタリアの本が買えます。バカンスシーズンやその前後を除けばかなり信頼度は高いです。送料も高いですけど。 日本の古本屋 現実世界での古本屋めぐりも好きですが、電脳世界のほうが欲しい本がみつかったりします。 comfm.com イタリアのラジオがネットで聞けます。生のイタリア語を欲してる方にはお薦めです。 RADIO MARGHERITA イタリアのポップミュージックを新旧問わずに流しまくる秀逸なHP。ホームの下のところにある「Ascolta Radio Margherita (マイクの絵)」をクリックすると、Windows Media Playerで聴くことができます。 NHKラジオイタリア語版 その日のニュース約5分と曜日ごとに決められたテーマ約10分をイタリア語で聞くことができます。他の言語もあり。イタリアのラジオに比べ、音声が安定しているように思えます。 Consorzio Vini Colli Bolognesi ワインは全く無知に等しいですが、なぜかしら「おらが村主義」は大切にしていたいのです。日本で一番「ボローニャの丘」について詳しい人になりたいです。「ボローニャの丘」ワイン協会のHP(伊語or英語)。 大相撲 がんばれ力士。 インターネットでモンドリアン こういうのも好きです。 氷温熟成 Bravo! KANTA このビールを評したずっと年下の女の子曰く、「苦味の奥に甘さがある」。ううむ。僕のことを言ってるのでしょうか。 Google日本 何かと便利。 Wikipedia Japan 何かと便利。 以前の記事
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